京都府議会 > 2016-06-01 >
平成28年総務・警察常任委員会及び予算特別委員会総務・警察分科会6月定例会1日目[ 参考資料 ]
平成28年議会運営委員会6月定例会 表紙
平成28年6月定例会(第1号)  本文
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平成28年議会運営委員会6月定例会[ 別紙 ]
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平成28年環境・建設交通常任委員会6月定例会1日目 表紙
平成28年6月定例会(第4号) 名簿・議事日程
平成28年議会運営委員会6月定例会[ 別紙 ]
平成28年文化・教育常任委員会6月定例会1日目[ 参考資料 ]
平成28年文化・教育常任委員会6月定例会1日目[ 配付資料 ]
平成28年6月定例会(第2号)  本文
平成28年議会運営委員会6月定例会[ 別紙 ]
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平成28年総務・警察常任委員会及び予算特別委員会総務・警察分科会6月定例会1日目 本文
平成28年農商工労働常任委員会及び予算特別委員会農商工労働分科会6月定例会1日目[ 配付資料 ]
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平成28年6月定例会(第2号) 名簿・議事日程
平成28年総務・警察常任委員会及び予算特別委員会総務・警察分科会6月定例会1日目 表紙
平成28年農商工労働常任委員会及び予算特別委員会農商工労働分科会6月定例会1日目 次第
平成28年農商工労働常任委員会及び予算特別委員会農商工労働分科会6月定例会1日目 表紙
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平成28年環境・建設交通常任委員会6月定例会1日目[ 参考資料 ]
平成28年6月定例会(第3号)  本文
平成28年総務・警察常任委員会及び予算特別委員会総務・警察分科会6月定例会1日目[ 配付資料 ]
平成28年スポーツ振興特別委員会6月定例会[ 参考資料 ]
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平成28年地域創生戦略に関する特別委員会6月定例会[ 配付資料 ]
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平成28年関西広域連合に関する特別委員会6月定例会[ 配付資料 ]
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平成28年スポーツ振興特別委員会6月定例会[ 配付資料 ]
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平成28年農商工労働常任委員会及び予算特別委員会農商工労働分科会6月定例会1日目 本文
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平成28年6月定例会(第3号) 名簿・議事日程
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     第2に、難関大学を目指す普通科系専門学科への生徒獲得競争のための複数回入試を改めることです。この3年間、公立高校の高校入試制度「入学者選抜」は、「何回もチャレンジできる」をうたい文句に、「前期」「中期」「後期」の3段階に改編されました。その結果、1年目は7,112人、2年目は6,436人、そして3年目の本年は6,495人と、合格者より不合格者がはるかに多いという異常な入試制度が続けられています。その狙いは、募集定員の100%を「前期」選抜で合格させる「普通科系専門学科」と呼ばれる高校の生徒獲得競争のためです。前期で不合格の生徒が中期で同じ高校を受験し合格するという入試、初めて入試に挑む生徒の6割に不合格体験とショックを与える入試にどんな教育的な意味があるのか、中学校現場からは、前期入試が割り込んだための過密な入試日程に悲鳴が上がっています。  そこで伺います。15歳の中学生を限りない競争と選別の嵐の中に放り出し、心を傷つけ、振り落とすための入試制度、競争主義と自己責任を押しつける入学者選抜は、見直すしかありません。いかがですか。  以上、お答えください。 5: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 6: ◯教育長小田垣勉君) 本庄議員の御質問にお答えをいたします。  高校改革についてでございますが、高等学校教育の目標の1つに、「個性に応じて将来の進路を決定させる」という目標があり、この目標を達成するには、多様な特色ある高校の中から、中学生が主体的に高校を選択できる制度であることが不可欠であると考えております。このため、平成26年の「京都市乙訓地域の選抜制度」の見直しに先駆けまして、この間、各高校の特色化を進めており、地域に根差した教育を行います「京都フロンティア校」など、4つの特色に応じて府立高校をネットワーク化するなど、魅力ある府立高校づくりを進めているところでございます。  こうした取り組みは、御指摘のように、単一の尺度で高校を序列化するものではなく、生徒の多様な目的意識や進路希望に対応するとともに、生徒や教員が学校の枠を超えました交流を進めることにより、府立高校全体のレベルアップを図るものでございます。  なお、通学費につきましては、従来から保護者の経済的負担を軽減するため、全国的にも数少ない補助制度を有しておりますが、府北部地域におきましても、みずから希望して自宅から遠い学校に入学する生徒がいる中で、その受給者数は近年横ばいとなっているところであり、今後とも本制度の維持・充実に努めてまいりたいと考えております。  また、入学者選抜についてでございますが、前期選抜は高校の特色に応じまして、学力だけではなく活動実績や面接など、多様な尺度による選抜としているところでございます。多くの中学生が、学びたい高校を選んで前期選抜から積極的にチャレンジしており、不合格となりました生徒の多くが中期選抜を志願し進路を決定しているところでございます。  新たな制度で高校に入学いたしました生徒は、目的意識を持って日々の学習や部活動に取り組んでいるところであり、そのことが、例えば、部活動の加入率の向上や中途退学率の低下につながるなど、制度見直しの成果があらわれているものと考えております。  来春、新しい選抜制度の1期生が府立高校を卒業いたしますが、3年間の高校生活を通じまして生徒一人一人の個性、能力をしっかりと伸ばせるよう、引き続き府立高校教育の一層の充実に努めてまいります。 7: ◯議長植田喜裕君) 本庄孝夫君。    〔本庄孝夫君登壇〕 8: ◯本庄孝夫君 御答弁いただきましたが、私が指摘をさせていただきましたこの序列化の問題、そして競争主義と自己責任を押しつける入学者選抜の問題、子どもの立場から見て納得ができない答弁ではなかったかというふうに思います。  府立高校の格差と序列化、生徒獲得競争のための複数回入試は、低年齢からの学力競争や進学実績を競う受験競争を激化させ、子どもたちの人格形成をゆがめるものです。競争に勝つことが人間的な価値と思い込まされ、常に競争に駆り立てられ、強いストレスにさらされていては、健やかな成長、発達、教育長からありました「個性を伸ばすこと」もできません。競争の教育ではなく、「どの子も人間として豊かに成長、発達することができる」「希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障する」という基本に立ち返った制度への抜本的な見直しと転換を強く要望し、次の質問に移ります。  府北部地域の「高校再編・統廃合」について、伺います。  京都府教育委員会は、昨年夏に、北部地域での「生徒減少期における府立高校の在り方検討会議」を開催し、口丹通学圏と丹後通学圏に的を絞り、府立高校の適正配置、府立高校減らしを進めようとしています。これまでの在り方検討会議や通学圏ごとの懇話会、そして地元の「丹後、与謝の高校再編を考える会」が取り組まれた「つどい」や懇談会、アンケートなどを通じて寄せられた要望や意見では、1つには、地域が持続的に発展するためには、それぞれの地元市町に高校が必要。2つには、どの高校にも普通科を置き、生徒たちに3年間かけてじっくり進路を考えさせること。3つには、子どもが減る今こそ、高校も少人数できめ細かな教育を。4つには、支援の必要な生徒のために、少人数で丁寧に教えられる教育環境の整備を。5つには、通学費、通学時間の負担を少なく。6つには、急いで決定せず、子ども、親、住民自身が十分な時間をかけて議論できるだけの期間の保障など、父母、住民の公立高校の役割を求める願いがあります。  また、定時制や分校は、「不登校や特別な支援が必要な子どもなど、多様なニーズに応え、ゆっくり小さな空間で学べる場を提供し、しっかり受けとめている」と評価されているもとで、「小さいからこそ、一人一人を丁寧に指導できる」「少人数教育の充実を」「1学級40人で無理なら、20人程度の少人数で」など、子どもの成長にとって大切な意見も語られました。  北部地域では、1人当たりの府民所得は、京都市域の315万円に対して、丹後地域では188万円と、6割しかないという厳しい実態です。保護者には、遠距離通学と経済的負担への不安が大きくあり、懇話会でも「通学網の整備、スクールバスや通学費補助制度の充実が不可欠」などの意見が出されました。  さらに、本年3月の口丹通学圏での在り方懇話会でも、出席者から「地元の高校への進学希望が多い」「交通の便が悪く親の送迎が必要」など、広域な地域の困難さが出されています。  この6月8日に府教育委員会は、計画を急ぐ丹後地域での第3回懇話会を開催し、「基本的な考え方」「府立高校の役割などを考える」として、1つに、単に生徒数だけをもとにした再編統合は行わない。2つに、丹後地域における通学事情を考慮する。3つに、学校規模が縮小化することによる課題をできる限り解消すると説明されました。それなら、丹後通学圏の各高校を現在の本校のまま継続設置することこそ、生徒や保護者、住民の願い実現の道ではないでしょうか。  ところが、教育委員会が提示されたのは、丹後通学圏の6つの高校のうち、宮津高校と加悦谷高校、網野高校と久美浜高校を1つの高校に統合し、それぞれにキャンパス化する。伊根分校と間人分校を弥栄分校に統廃合し、フレックス学園とするものでした。また、各高校、キャンパスに設置する学科・コース、キャンパス間の移動手段などについては、全く触れられませんでした。今後のスケジュールでは、第4回懇話会が7月下旬以降となっていますが、それまでの7月段階で、「主として小・中学生の保護者を対象」に、地域別公聴会を開催するとしています。  そこで伺います。第1に、丹後地域の一番の願いは、それぞれの地元に高校があり、どの高校にも普通科を置くことです。府教委が示すキャンパス化や分校の統廃合で普通科を残すのですか。特色づくりや多様化で高校の序列化を進め、一層通学範囲が広域となり、競争を激化させ、結果として、生徒たちの希望を切り捨てることになるのではありませんか。  第2に、7月の地域別公聴会の問題です。関心の高い「設置する学科やコース」「移動手段」などで、「生徒の普通科志向が高い」という希望や、保護者の「経済的負担の軽減」という要望などについて、何も示されないままに開催するのはなぜですか。キャンパス化で、新たな類型化と役割分担を押しつけるためではないのですか。  第3に、府立高校の主な役割として、「地域の将来を支える」「地域社会の活性化」などを挙げておられますが、それなら公聴会の対象者を小・中学生の保護者に限定せず、地域社会やまちづくりにかかわる皆さんも参加できるようにするべきではありませんか、いかがですか。  去る5月25日には、与謝野町の「加悦高まちぐるみ応援団」と「か矢織りなす会」が、府教育長に対して、京都府立加悦谷高校を本校、独立校として残すことを要望されました。  そこで、伺います。与謝野町の皆さんは、「地域の交通も、農業も、福祉もみんなでつくってきた。教育、高校も地域でつくろう」と声を上げられています。このような与謝野町の皆さんの町ぐるみの願いにしっかり応えるべきではありませんか。いかがですか。  さらに伺います。教育委員会は地元の父母や住民の願いに正面から応え、丹後地域の公立高校の役割を発揮するための支援に取り組むべきではないでしょうか。そのためにも、「高校再編・統廃合先にありき」のやり方、住民の合意に基づかない一方的な押しつけをやめ、8月を目途に計画案策定、9月の計画決定を中止するよう求めますが、いかがですか、お答えください。 9: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 10: ◯教育長小田垣勉君) 府北部地域の府立高校の在り方の検討についてでございますが、特に丹後地域の生徒数の減少傾向は著しく、今年度の公立中学校3年生は約900名と、1,000人を大きく割り込み、さらに10年後の平成38年度には650人を切ることが見込まれているところでございます。  こうした中で、丹後地域の府立高校を現在のまま維持した場合は、生徒数の大幅な減少によりまして、集団活動の機会が十分に確保できないことや、進路希望に応じたコースの設定や選択科目の開講ができないこと。また、部活動におきましても、部員数の確保が困難となり、とりわけ団体競技におきましては公式戦に出場できなくなることも考えられるなど、さまざまな課題が生じることが想定をされております。  今後の生徒数の減少を踏まえますと、統廃合により、一定の学校規模を確保することも一つの考え方ではございますが、府立高校が地域の最高教育機関としてこれまで果たしてきた役割は大きく、単に生徒数だけをもとにした再編・統合は行うべきではないと考えております。  そのため、この間の懇話会での御意見や他府県の先行事例なども踏まえまして、去る6月8日に開催いたしました第3回懇話会におきまして、丹後地域における府立高校の在り方といたしまして、通学状況も勘案し、今ある本校の校舎を活用しながら、各高校で今まで培ってきた教育活動を継承することを視野に入れました学舎制の導入、いわゆるキャンパス化を府教育委員会の基本的な考えとしてお示しさせていただいたところでございます。  現在、丹後地域の各府立高校に設置している学科やその教育内容、また地域に根差した教育活動や公私間の連携などを踏まえた上で、時代の変化に応じた学科や教育内容についての検討が必要と考えておりますが、このような考え方に基づく学舎制により、序列化や競争の激化ということではなく、地域に根差した高校として、魅力ある教育活動を継承、充実できるものと考えております。  今後、開催予定いたしております公聴会におきましては、学舎制を含む再編の方向性等についての基本的な考え方をお示しした上で、御意見をお伺いしたいと考えております。この公聴会では、将来、高校で学ぶ小・中学生の保護者の皆様の御意見をお聞きする必要があることから、こうした方々を主な参加対象としているところでございます。また、府立高校は地域とのつながりが深く、地元市町や地域の方々の御支援はなくてはならないものであることから、将来、地域を担う子どもたちの育成と魅力ある高校づくりといった観点から、どのような高校教育が求められるかということにつきましても、与謝野町のみならず、地域の皆様の声を丁寧にお聞きしてまいりたいと考えております。  北部地域におきまして、子どもたちの数が急激に減少していく今、高校進学を目指します生徒や保護者が安心して高校を志願し、充実した学校生活を送ることができるよう、今後の府立高校の大きな方向性につきましては、早期にお示しする必要があると考えております。  府教育委員会といたしましては、今後いただく御意見や議論の状況なども踏まえまして、丁寧に検討を進めてまいります。 11: ◯議長植田喜裕君) 本庄孝夫君。    〔本庄孝夫君登壇〕 12: ◯本庄孝夫君 去る2月24日の丹後地域の第1回在り方懇話会では、出席者から「地元の学校」の意味や進学問題、中学生の進路意識、子どもの貧困や発達上の課題、育ち・学びの問題などが率直に語られました。最大の共通点は、7人の高校・中学校の校長、町教育長、PTA役員から、中学生が高校に進むときに「普通科志向が強く、進学希望が多い」ということでした。また、高校間が10キロ・20キロと離れている広域の通学圏で、「通学負担などを考えると、地元の高校に通えることが一番幸せなこと」などの声でした。どの高校にも普通科を残すこと、地元の高校を存続することが地元の願いです。そのためには、現在の高校をそのまま継続設置するのが当然だと考えますが、いかがですか。再度お答えください。 13: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 14: ◯教育長小田垣勉君) 本庄議員の再質問にお答えをいたします。  先ほどもお答えいたしましたとおり、全校を本校として継続した場合、各校とも小規模校となるため、いずれの高校におきましても、集団活動の機会が十分に確保できないことや進路希望に応じたコースの設定や選択科目の開講が行えないこと、さらには部活動等においても大きなかかわりや障壁ができてまいります。そういうことを含めましてさまざまな課題が生じることが想定されているところでございます。懇話会におきましても、PTAの方などから、小・中学校における統廃合後の子どもの様子などを踏まえて、子どもたちの教育環境のことを考えると、「統合したほうがよい」という御意見もお伺いしているところでございます。そういうさまざまな意見も踏まえながら、慎重に進めてまいりたいと思っています。 15: ◯議長植田喜裕君) 本庄孝夫君。    〔本庄孝夫君登壇〕 16: ◯本庄孝夫君 公立高校の役割が問われています。「特色づくり」による「特別な学校」がなぜ必要なのか。「特別な生徒しかいけない高校」でよいのか。生徒や保護者、住民の願いは、「地域の高校」「地元の高校」であり、「普通の高校」です。その願いを支え、教育を保障するのが教育行政の務めではないでしょうか。住民合意のない、押しつけの再編・統廃合をやめるよう強く求め、次の質問に移ります。  与謝の海支援学校の老朽化対策と教育環境整備について伺います。  京都府北部地域で最初に設置され、48年目を迎えた府立与謝の海支援学校は、設置運動の時期を含めると60年もの間、地域、医療、福祉と連携し、何よりも地域住民の皆さんの理解を経ながら実践を続けてきた歴史があります。  児童生徒はこの数年少しずつふえ、本年度135名です。京丹後市の73名を初め、与謝野町、宮津市から5台の通学バス、伊根町は自主通学で、寄宿舎では21名が生活しています。車椅子の児童生徒は16名、医療的ケアの必要な児童生徒も3名います。  天の橋立を見下ろす石舞台古墳のあった丘陵地に立地している学校は、身体的発達を育成するのに適した自然環境のもと、5つの教育棟、2つの寄宿舎棟、体育館棟、職業教育棟、自立活動棟などは、坂や階段で結ばれています。湿気が高く、ぬれて滑るために、坂の多い廊下全体に緑のカーペットが敷かれています。廊下の天井は低く、たくさんのパイプがむき出しになっており、あちこちの壁もはがれて落ちています。多くの教室は、ドアノブ式の古いアルミサッシの扉のままで、車椅子が通るのにぎりぎりのサイズです。エレベーターが一部の棟しか設置されず、車椅子の児童生徒が2階に行けない棟が4棟、寄宿舎も同様です。そのために2階の音楽室を利用する場合には、教職員が抱えあげて移動しています。バリアが多いために電動車椅子の生徒の移動にも介助が必要です。冬になると、スチーム暖房となりますが、配管のパイプからよく水が漏れ、応急修理が欠かせません。職業教育棟は、エアコンなどの冷房設備がなく、暖房用のストーブがあるだけです。  このように、経年劣化等により、施設整備の故障や不具合、車椅子や重複障害を持つ児童生徒への対応など、校舎の老朽化対策とあわせて充実した教育環境整備が緊急の課題となっています。  そこで伺います。3月の予算特別委員会で教育長は、共産党議員団も何度も要望してきた向日が丘支援学校の老朽化対策について、「施設の全面改築も視野に入れ、具体化に向けた検討を進める」と答弁されました。向日が丘支援学校に続いて、与謝の海支援学校の全面改築の計画を立てるべきです。その検討状況と見通しについてはいかがですか、お伺いします。 17: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 18: ◯教育長小田垣勉君) 与謝の海支援学校の校舎等につきましては、府立特別支援学校の中で、向日が丘支援学校の次に建設年次が古く、毎年度の定期点検や学校からの要望を踏まえました修繕などにより、施設機能の維持に努めているところでございます。  与謝の海支援学校の施設の整備についてでございますが、まずは、現在進めております特別支援学校の新設や新たに検討に着手をいたしました向日が丘支援学校の施設整備を着実に進めることとし、今後の府立学校全体の計画的な整備の中で、その対応については検討してまいりたいと考えております。 19: ◯議長植田喜裕君) 本庄孝夫君。    〔本庄孝夫君登壇〕 20: ◯本庄孝夫君 御答弁いただきましたが、与謝の海支援学校はどんな重症と言われる子どもでも無限に発達するということ、教育が人間の発達にとって欠かせない権利であること、集団が子どもの発達を保障する大切なものであることを踏まえ、「すべての子どもに等しく教育を保障する学校をつくろう」という、学校づくりを支える基本理念のもと、設置運動と行政の支えの中で誕生した学校です。この4月から障害者差別解消法が施行されたもと、合理的配慮を提供するという視点からも、積極的な教育環境整備が求められています。全面改築の計画を早期に立てられるよう強く要望し、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 21: ◯議長植田喜裕君) 次に、二之湯真士君に発言を許します。二之湯真士君。    〔二之湯真士君登壇〕(拍手) 22: ◯二之湯真士君 自民党議員団の二之湯真士でございます。通告に従い、知事及び関係理事者に質問いたしますので、簡潔明瞭な御答弁をお願いいたします。本日の質問はすべて、「地方創生」をなし遂げるための手段について問うものであります。  さて、日本社会の超高齢化・少子化に伴う人口減少の大きな要因として、出生率の低い東京への一極集中がある。それを是正するため、全国津々浦々に地域資源を生かした魅力ある仕事をつくり、相対的に出生率が高い地方へ、若者がUターン・Iターンするよう促す。東京一極集中と人口減少の両方を一度に解決しようとする方法、それが、地方創生であると言えます。いわば魔法のようなものであるとすら言えるかもしれません。  ところで、その地方創生は、「まち・ひと・しごと」とは言いますが、その順序は果たしてどうなのでしょうか。  「まち」は「ひと」がつくりますが、その「ひと」は「しごと」がなければいなくなります。したがって、私は、「しごと・ひと・まち」の順序だと考えます。実際、若者の人口移動は、進学と就職を機に起こっています。やはり、仕事があればとどまるし、帰ってもくるし、やっても来る。ですから、わかりやすく言えば、地方創生とは「稼げる仕事づくり」から始まると言えると思います。  ところが、であります。今までそれができなかったのであります。できなかったから、こうなってしまっているのであります。東京には、人気のある大学や上場している企業がたくさんあり、野心を持ってそこに若者が集っていきます。誤解を恐れずに言えば、いわゆる「頑張ってうまくいったひと」が首都圏に集まって、逆に「あえて残ったひと」もいますが、「残ってしまった」あるいは「来てしまったひと」が地方にいるとも言えるのです。そして、地方創生を叫ばねばならない現状が今あります。  それなのに今、「自力で元気になれ!」と言われています。そして、それを引っ張っているのが、自他ともに「自分たちは商売か下手だ」と認める、つまり「稼ぐことが下手だ」と認める地方公共団体と言えます。中には、はなから稼ごうとすら思っていない自治体もあるやに見えます。現状は、極めて厳しいと言わざるを得ないでしょう。これを乗り越えるためには、まさに古来の奥義とか、魔法が必要であるとすら思えてきます。  さて、現状は厳しいながらも、天を見上げなければなりません。気持ちがなえれば終わりです。いわゆる地方創生が成功したときの風景を思い浮かべて、夢を見てみようと思います。  例えば、京都市内です。成長の可能性はすぐに見つかります。外国人の観光誘客、インバウンドは、新規の成長産業と言えます。観光大国フランスは、同国の人口を上回る約8,500万人のインバウンドがあります。アジアの観光大国タイは、観光客数でも収入でも日本をはるかに上回っております。その観点から言いますと、今の日本全体で2,000万人弱の観光客数では、極めて少なく、京都も外国人観光客が目立ちますが、それはただ以前より多いということであって、潜在能力からすれば、まだ少ないと見るべきであります。全国の人口に匹敵するだけの外国人観光客が訪れるとすれば、京都には2,000万人くらいか、もっと多いか。今の6倍、7倍くらいの人が来られる計算になると思います。客数と客単価がともにふえれば、京都市はとても豊かになります。文化的な仕事で稼げる街、国際的な仕事につく高度人材も多く抱える街となるでしょう。これこそまさに「大交流」だと思います。異文化交流は、京都にさらなる魅力をつくっていきます。それは京都の歴史が証明していると思います。私は、これは案外、夢ではないかもしれないと思っております。京都市が豊かになれば、周辺にもよい影響を与えると思います。京都府域の交通網の南北軸、道路網が完成し、北陸新幹線も開通すれば、京都市周辺部はもちろん、少し離れた南部・北部も、緑が豊かで落ち着いた環境のよい居住地としての可能性もさらに高まると思います。  いわゆる「ど」がつくほどの田舎についても、夢を見たいと思います。日本には、地方に力があった歴史が長いのです。分権型の国家の時代が長いのです。そして、古代にまでさかのぼれば、ロマンが広がります。例えば、中部・北部です。出雲・丹波・越という有力な国が連なる中で、海側は大陸に開け、先進的な文化や豊かな経済があったとされる地域であります。伝説や伝承には事欠きません。「海の京都」はさらなる深みを持ち得ると考えます。  国全体で、いやが応でも人口が減少していく中で、稼げる仕事は案外少ないと思われます。国家単位で外貨の獲得が重要ともなり、好きや嫌いの問題ではなく、都市も田舎も、インバウンドが鍵を握っているというのが現実だと思います。そこに挑戦するとき、交流人口も含めた地方への人口移動は、地方に独立・自営の事業者をふやす結果につながると思います。現在の充実した社会保障制度とまではいかなくても、それなりに安心できる暮らしができて、しかも財政における収支の均衡も図れるかもしれません。何より、ふるさとでやりがいのある仕事を生涯し続けられる生き方が実現するかもしれません。奇跡的な、まさに夢のような状況だとも思いますが、私はそれも実現し得ると思います。  魔法や夢の話をしてきたようですが、しかしそれは、しょせん魔法が必要な話だと、夢だと、がっかりする必要はないと思います。夢には正夢もありますし、夢にヒントを得て現実を改善するということは、古来の奥義の1つでもあります。「信じる者は救われる」とも言いますし、薬の効果は「効くと信じることが7割」という科学的な知見すらあると聞きます。  悲観的なことも言ってまいりましたが、私は、「夢を見て、ヒントを得て、できると信じる」、そのときに使えるようになる魔法を持って、とことん挑戦する気持ちでいます。その観点から、文化財行政、農山漁村の存続、地域金融機関の役割について、質問をいたします。  まず、文化財行政についてです。  日本のような先進国における経済成長・GDP拡大は、人口の増加によるところが大きいとされます。とするならば、少子化対策が功を奏したとしても、しばらくは人口減少が続く中では、外国人観光客を受け入れ、擬似的な人口増加の状況をつくることしか方法がないようにも思われます。特に、観光消費額が大きい欧米人に、今まで以上に多く京都に来ていただければよいですが、その欧米人は日本の歴史・文化に相対的に関心が高いという統計があり、京都の文化財は極めて有力な観光資源となり得ると考えます。  そこでお伺いします。文化庁は、文化財行政の方針を「保護・継承」に加え、観光などに「活用」する方針に転換しました。これを機に、ともすれば保存が主目的であったものをビジネスの視点で捉え、文化GDPの拡大を目指す必要があります。本府を訪れる観光客の大半は、文化財を目的に訪問することから、本府の文化財行政も同様の方針転換を行い、文化GDP拡大の柱として文化財の活用方策を示すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  次に、複数年にわたる文化財工事に関してですが、単年度発注では入札に関する事務作業量が、発注者・受注者双方に負担となり、入札業務が実施される4月から6月には現場業務がほとんどなく、また、単年度入札による複数年工事では修理にむらができ、文化財にとってもよくないと聞きますし、工期も延びてしまいます。債務負担行為を活用した複数年施工を実現すれば、このような問題が改善されるとともに、入札事務・経費が軽減されることによって、より多くの文化財を修繕することができ、技術者の育成にも、観光振興にも資すると考えます。文化財の工事に債務負担行為を導入し、単年度発注を改めるべきと考えますが、所見をお伺いします。  次に、農山漁村の存続について、お伺いします。  「限界集落」や「消滅可能性都市」という言葉は、非常に胸に突き刺さる言葉であります。情としては、守らねばと思います。しかし、財政難の折、冷静に、「なぜ守るべきなのか」を考えてみると、もはや、国全体で利便性や豊かさだけを求めていくとするなら、守る理屈にはなってこないと思います。  国土を守り、水や食料を守ること、災害を防ぐという使命を持つからこそ、農山漁村を守らなければならないと思います。そのためには、そこに人が定住していかなければなりません。しかし現実には、農山漁村での仕事づくりは、生産の基盤が限られていることに加え人材の問題があり、極めて難しく、存続は困難となっています。  そこで、次の諸点について、お伺いをいたします。  農山漁村地域を抱える市町村では、人口の社会増を引き起こすための「稼げる仕事づくり」が大切と考えますが、府内市町村ごとに、その仕事が何で、どこまでの人が雇用でき、どれだけの世帯が生活できるのかという積算は、できているのでしょうか。また、どのような人を呼び込もうとしているのでしょうか、お伺いします。  次に、仕事づくりによる社会像がうまくいくだけでは、農山漁村の存続は難しいと思います。そして、男性は、家がある、田畑や山がある、墓がある、長男だからと戻ってきたり残ったりしても、女性はやや事情が異なります。人口の社会増を自然増に結びつけるには、男性だけではなく女性をふやすことがより重要だと思いますが、日本人の大半が便利な都市暮らしで育つ現代において、幾ら田舎暮らしがブームとはいえ、人口の社会減が続いている地域で女性を呼び込むのは、至難のわざであります。どういう女性を照準としているのか、グローバルな世の中で日本人に限らないという考えはあるのか、御所見をお伺いします。  そもそもしばらくは、人口が減少する社会であります。どう頑張っても、人が減ったり消滅したりする地域もあるかもしれません。そうなったとしても、国土保全や水や食料の安定供給などの観点からすれば、農地や山林を健全に保たなければなりません。特に山林は最低でも50年スパンで考える必要があり、民間ベースでは限界があります。既に山主には、「売れなくてもいい、譲れるなら無償で譲る」という人がふえていると聞きます。将来的に大規模農業者や林業者に貸すことも想定しつつ、行政が、農地や山林を購入したり譲渡を受けたりしながら保有をし、集約化を進めながら、できるだけ健全な状況を維持することも検討すべきと考えますが、所見をお伺いします。  次に、地域金融機関の役割について、お伺いします。  地方創生においては、産官学に加えて「金」、つまり金融機関を重要な主体と位置づけています。確かに、金融機関は仕事づくりに不可欠な資金を持ち、地域経済の状況に精通し、さまざまな情報を持ち合わせています。その意味では、地域金融機関が果たす役割は極めて大きいと考え、次の諸点についてお伺いします。  まず、地域金融機関が創業のために貸し出している件数は、ここ2年で激増しています。このうち、信用保証制度を活用せず、事業継承ではない新規事業で、かつ、創業前のものは何件ありますでしょうか。また、件数が少ないのであれば、その原因をどのように考えていますか。  次に、府域すべての創業した企業に対し情報開示を求め、創業の現状、課題、対策について、本府や信用保証協会も含めて認識を共有すべきと考えますが、いかがでしょうか。  最後に、府域には、起業が困難で貸し出し先が乏しい地域もあると思いますが、実はそういう地域こそ、地方創生における金融機関が果たすべき役割は大きいと考えます。特に、信用組合や信用金庫などは、設立の趣旨からすれば、地域で成立する産業を、ともに起業に努めるよう努力すべきと考えますが、御所見をお伺いします。 23: ◯議長植田喜裕君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 24: ◯知事(山田啓二君) 二之湯議員の御質問にお答えいたします。  文化財行政についてでありますけれども、観光客数については、フランスは恐らくEU全体の市場を持っていて、出入りも自由になっている中での問題というのがまずあるんだというふうに思っておりまして、その点からすると日本は、やはり東南アジアの経済発達とともに、今一つの爆発期を迎えたんじゃないか、大きな観光市場が形成される機会があった。そうした中で、まさに50%から70%の伸びのような、急激な伸びが今来ていて、この波というのは、これから東南アジアの発達とともに衰えることなく進んでいく。その点では、京都においても、文化財行政というものが単に維持・保全ではなくて、大きな活用によって経済効果を生む時期が今来ているんだというふうに思っております。  京都は大変な文化財を有していることは、これはもう論をまたないと思いますけれども、ただ、やはり京都の観光の一番の魅力というのは、ほんまもんの魅力じゃないかな。これは私がシンガポールの観光大臣に会ったときに、「シンガポール頑張ってますね」と言ったときに、「京都にはかないませんね」とおっしゃいました。「残念ながらシンガポールはすべてアーティフィシャルであると。京都には本物がある、ほんまもんがある」というふうにおっしゃったことを非常に印象深く覚えております。  こうした点からすると、文化財行政というのは、保存・維持と活用の両面をきちっと押さえて考えていく必要があるというふうに思っております。そのために私どもは、まず本物を維持するための文化財全体の保存の仕組み、修復の仕組みを体系化していく必要があるということで、この間、取り組んでまいりまして、「日本文化財保存修復国際センター構想」の実現に向けて、今、取り組んでおります。  もちろん文化財というのは、有形だけではありません。例えば、食も文化財でありますけれども、これには高等教育機関。さらに伝統産業も文化財でありますが、この点では職人工房、また映画は撮影所の維持等ですね。まさに、文化財としての能力を発揮できる環境をしっかりと今整えているところでございます。その上において、私たちは、この魅力をさらにこれから一層輝くようにしていかなければならない。そのためには組織が要りますので、私どもは総合的な文化財行政が重要なことから、昨年4月の改正において、文化スポーツ部を新たに設置いたしますとともに、京都府の教育委員会と知事部局で、文化財の保護・活用が分かれていてはいけないということで、プロジェクトチームを設置し、また今回の大綱におきましても、文化財の保護・活用や伝統文化の継承と新たな価値創造に取り組むことをお互いに申し合わせたわけであります。
     そしてその上で、活用の面につきましては、将来を見据えたときに、京都が得意とする分野がある。それは伝統産業であり、映像映画コンテンツであり、食であり、そして観光であるという観点から、今回の文化庁の移転に当たりましても、この4つの部分について、新機能の付加をぜひともお願いをしたいと。単に文化庁が東京から移ってくるのではなくて、文化行政を通じて新しい伝統産業の振興、新しい映画映像コンテンツの振興、新しい食の振興、そしてそれを通じての観光振興というものを大きな目的にしているところであります。  同時に、さらに京都の持っている力を生かすために、「PARASOPHIA(パラソフィア):京都国際現代芸術祭」や、和食文化京都大賞、ミラノ国際博覧会での京都ウイーク、さらに昨年は琳派400年記念祭を行いました。これもまさに、琳派400年記念祭は、伝統産業の新たな文化的価値を融合させて、文化と産業が一体となった取り組みの方向性を示すものであります。こうした観点から私どもは、さらに今後「京都文化芸術会議」、これは京都府の文化賞受賞者によって新たに組織をしていただきましたけれども、これによって文化行政のあり方の提言を受けながら、「文化財活用・理解促進戦略プログラム2020」を策定して文化財行政を展開し、文化財の維持と活用において、新たな未来を切り開き、その中で京都の活性化にも努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。 25: ◯議長植田喜裕君) 志田総務部長。    〔総務部長志田文毅君登壇〕 26: ◯総務部長(志田文毅君) 市町村の人口増についてでございますが、府内全ての市町村におきまして、昨年度、地域創生のための人口ビジョンと総合戦略を策定したところでございます。  市町村の人口ビジョンは、国や府の人口ビジョンを勘案しつつ、自然増減や社会増減に関する仮定を置いて、一定の人口規模の維持や増加を目指すそれぞれの市町村の目標や思いを反映したものとなっております。また、総合戦略は、この人口ビジョンで描いた将来展望を実現するための施策を具体化したものでございまして、それぞれの市町村におきまして、社会減に歯どめをかけ、社会増を実現するための「しごとづくり」が基本目標の一つとして掲げられております。その中では、現代の価値観の変化、すなわち農山漁村地域が従来のハンディキャップ地域にとどまらず、豊かな資源と将来性のある地域、また子育て環境に恵まれた地域という、こういう特徴を積極的に評価するというパラダイムシフトのもとで、さまざまな施策が講じられることになっております。  具体的に申し上げますと、お茶やシルクなど、地域の特産品をブランド化し、生産から商品開発・流通までを一体的に行う企業の設立支援や、いわゆる6次産業の取り組みでありますとか、あるいは、豊かな森林資源を生かしたバイオマス関連産業の育成、あるいは、地域の特性や特産品を活用した統一的なコンセプトを定めまして、これに合致する企業を誘致するなど、こういった取り組みに積極的に取り組むということになってございます。これらの取り組みによる成果目標として、新規創業件数や雇用創出数などを掲げまして、その達成によって人口ビジョンを実現するという考え方がとられております。これらの施策を実現するためには、まずそうした「しごとづくり」や、その運用を担う人材が重要であります。このため、例えば、「半農半X」による特産品の販売マネジメントや農家民宿、レストランの経営などについて、能力や経験を持った人材を積極的に呼び込んでいくと、こういったことでございます。  一方、人口の自然増のほうでございますが、各市町村の総合戦略におきまして、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえることが基本目標の一つとして掲げられております。具体的には、婚活など出会いの場の創出、不妊・不育治療の支援、産前・産後サポート、保育・子育て支援サービスの充実などに取り組むこととされております。特に、農山漁村地域におきましては、都市部に比べまして若い人の出会いの場が少ないという面がございますので、地域の1次産業の担い手と他の地域との独身者の出会いの場づくり、あるいは結婚式の開催支援といった特徴的な取り組みが見られるところでございます。そのターゲットとしては、特に年齢や国籍などを絞ったり重点化したりしている市町村はないと承知しておりますが、いずれの市町村も、幅広い層の受け入れを目指して努力をされているというふうに考えてございます。  このように、さまざまな人口増の取り組みが進められておりますが、市町村の取り組みだけで成果を上げることは難しく、国や府、民間企業、各種団体との連携があってこそ成果が上がると理解しております。このため府といたしましても、移住コンシェルジュによる相談から現地案内までを一貫して、あるいは、空き家の改修補助などの定住支援に加えまして、京都ジョブパークにおける就職相談や職業訓練、里の仕事人によります特産品開発の農産ビジネスおこし、販路開拓などの「しごとづくり」について、支援をしております。さらに、きょうと婚活応援センターによります婚活支援や、子育てピアサポート事業による子育て支援などの少子化対策は、農山漁村地域を含めて暮らしやすさの向上に寄与し、自然増のみならず社会増にも効果があると考えております。  今後とも、市町村と連携して、効果的な人口増加策に取り組んでまいります。 27: ◯議長植田喜裕君) 兒島商工労働観光部長。    〔商工労働観光部長兒島宏尚君登壇〕 28: ◯商工労働観光部長(兒島宏尚君) 地域金融機関の役割についてでございますが、府内の事業所が減少傾向にある中、府としましても、創業の支援に力を入れているところでございます。地域金融機関も参画をいただいております京都金融支援連携協議会におきましても、創業支援に向けた取り組み等を行ってきたところでございます。こうした中、府内で平成27年度に新設をされた法人数は約1,700件で、前年度よりも200件以上増加をしており、また創業融資件数は、府内に本店を置く地域金融機関からの聞き取りによりますと、平成27年度は約870件であり、2年前の3倍強と大幅な伸びとなったところであります。このうち、信用保証制度を活用せず、新規事業で、かつ創業前の事業者への支援は、約2割の200件弱と聞いております。  創業に当たりましては、自己資金を保有しており、融資を必要としないケースや、業種によってはパソコン1台だけでも創業ができ、資金融資を必要としないケースがあること、また、そもそも融資の相談がなければ、創業者の存在そのものがわからないことといったことが、2割程度にとどまっている背景と考えられるところでございますが、京都産業の基盤をしっかりと維持をするためにも、創業件数は今後さらに伸ばす必要があると考えておりまして、先ほどの協議会との連携を密にしながら、開業資金の調達がしやすい環境づくりを行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、創業の現状課題、対策についてでけれども、創業企業に対する情報公開までは求めてはおりませんが、平成25年度から、京都産業21において設置をしております「京都中小企業事業継続・創生支援センター」での創業相談や、中小企業応援隊が実施をしております事業の参加者アンケートなど、こういったものを通じまして、課題について把握をしているところでございます。それによりますと、創業前は、主に事業計画の作成やマーケティング、商品開発、資金調達など、創業後は、同業異業種の人脈づくりや経営の改善等が挙げられているところであります。これらの課題に対応するために、まずは創業に必要な知識習得のためのセミナー開催等を行いますとともに、制度融資によります開業資金融資や顧客確保に向けた中小企業診断士などの専門家派遣によります助言を実施しているところであり、一方、金融機関や信用保証協会においても、相談窓口の設置、創業融資の創設等に積極的に取り組んでいただいているところであります。  今後とも、商工会、商工会議所など関係機関とも協力・連携をしまして、課題等の認識を共有をしながら、支援をさらに強化をしてまいります。  地域創生における地域金融機関の役割ですが、京都ではもともと地域密着型の金融機関が大変充実しているところであり、各地域金融機関ともそれぞれの経営理念でも、地域社会の発展に貢献する旨をうたっておられるところであります。地域の仕事おこしを推進する上で、その果たす役割はみずから大きいものと考えておられるところであり、既に地域の特色や課題の解決に向けた金融商品やファンド創設、また地域創生専門の組織立ち上げなど、地域創生に向けた取り組みに着手をされているところであります。  また、昨年度、京都府地域創生戦略を作成しました際には、知事と各地域金融機関のトップとの意見交換会を行い、その中で企業向けの融資以外にも、子育て支援のための融資制度の創設などについて議論がなされ、その実現に向けて動き出しているところであります。  今後、地域金融機関や京都信用保証協会にも参画をいただいております「京都事業継続・起業支援ネットワーク」を中心に、創業時や創業後間もない時期の資金調達、経営戦略、人材確保、技術支援、販路開拓などについて、参画団体等によりますオール京都体制でしっかりと支援をしてまいります。 29: ◯議長植田喜裕君) 松本農林水産部長。    〔農林水産部長松本均君登壇〕 30: ◯農林水産部長(松本均君) 山林、農地の保有についてでありますが、まず山林についてでございますが、林業が経営として成り立つためには、一定規模の森林を計画的に施業する必要があり、集約化が重要なことから、京都府が個々の森林所有者からスポット的に森林を譲り受けましても、保有コストや効果的な施業の点から難しい面がありますので、地域の森林組合との連携を図っているところでございます。具体的には、地元の森林組合や民間の林業事業体により計画的に集約化が図られるよう、日吉町森林組合で先導的に取り組まれた事例であります、森林所有者と森林組合等との間で締結を進められている森林作業の長期受委託契約を推進しておりまして、平成26年度末時点で3万757ヘクタール、人工林比の約25%でございますけれども、について契約が締結されているところであります。加えて、この5月に改正されました森林組合法、施行は平成29年4月1日からというふうになってございますけども、この改正森林組合法によりまして、森林組合等が森林を保有する場合、従来公益目的に限定されておりましたのが、経済目的で森林を保有し積極的に林業経営を行えるようになりますことから、この仕組みも活用していきたいというふうに考えております。  今後とも、こうした長期受委託契約の取り組みを引き続き支援しますとともに、川上から川下までの連携による林業の6次産業化もあわせて推進し、森林所有者の経営意欲を喚起しながら、官民連携のもとに施業の集約化を推進し、森林を守ってまいります。  次に、農地でありますけれども、地域内の分散した農地の利用を最適化するためには、担い手への集約化により、経営の効率化を図ることが重要であります。このため、みずから耕作することが難しくなった農地を担い手養成実践農場や丹後農業実践型学舎による新規就農者へ集積させるとともに、京力農場づくり事業により、集落営農組織等の法人化、6次産業化などの取り組みを支援し農作業受託等を推進することで、農業経営体への集積を進めているところでございまして、農地中間管理機構を活用いたしました昨年度の農地集積は、対前年度比約7倍の770ヘクタールとなったところでございます。  個別の農地について、行政が購入または譲渡により保有するという点についてでありますけれども、試験研究用としての活用など、活用目的が明確でない場合の維持管理にかかります人的、経費的な負担の問題や、現行制度におきましても、農地中間管理機構が国庫補助金を活用して2年間農地を保有できる制度がございます。このように整理すべき課題もありますことから、まずは市町村や関係団体で設置をいたしております農地利用推進チームにおいて実践を重ねながら検討を進めますとともに、今年度は農地集積仕掛け人を全市町村に配置するなど、貸し出し農地の掘り起こしと担い手へのマッチングの取り組みを強化し、農地集積1,000ヘクタールを目指してまいります。山林及び農地につきましては、国土及び自然環境の保全、水源の涵養など、府民生活にとって重要な役割を担っておりますので、引き続き、適正な管理及び活用に努めてまいります。 31: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 32: ◯教育長小田垣勉君) 二之湯議員の御質問にお答えをいたします。  重要文化財建造物の保存修理工事についてでございますが、国の補助金は単年度ごとであり、その決定後に所有者からの委託を受けまして入札手続を行っているため、複数年度にわたります工事は、御指摘のとおり、工事期間の長期化等の課題があることから、これまでからその対応について検討してまいったところでございます。  今後は、所有者と御相談の上、年度当初の着工が適したものにつきましては、入札事務を早めるとともに、工事の工程上、年度をまたぐものにつきましては、債務負担行為を設定し、複数年度の契約を行うことにより、効率的な執行と年間を通じた事業量の平準化に努めてまいりたいと考えております。 33: ◯議長植田喜裕君) 二之湯真士君。    〔二之湯真士君登壇〕 34: ◯二之湯真士君 御答弁いただきまして、知事からも文化財行政のほうで文化財の活用と、幅広く文化財を捉えた上での活用方針を示していただきました。その文化財を活用する条件としての、まずは観光客がこれからどんどんふえていくだろうということ、そして、活用するためにもその文化財と、知事が先ほど述べられたものの基盤を整えていく。そして、後継者をつくっていくということまで整って、そして、それを縦割り行政を廃して総合的に府として推進できる組織もつくられたということで、大いに期待したいと思いますけれども、1つ要望させていただきますと、先ほどパリとの観光客の比較の中で、パリはEUの中で地続きだと。で、日本は東アジアの一番端にあるということで、そもそも難しい状況があるというのは理解しておりますけれども、欧米の方というのは、そもそも長期滞在をされてじっくりと吟味してこられるということで、その中で、例えばタイとか韓国よりも日本は観光入込客と、消費量は少ないと。そのあたりは、やはり京都からその入込客、そして消費額、消費単価、ともに高めていくという目標を設定していただきたいということと、ともすれば、この観光に関しましては、入込客数、これを基準にするんですが、やはり先ほどもありましたけども、文化を基礎にした産業を活性化させて、そして経済波及効果といいますか、波及効果を高めると。そして、文化と産業をともに守っていくということであれば、消費額のことを特に注目をして、そして高い目標を掲げていただければ、ありがたいなというふうに思います。  そして、文化財工事に関してですが、100%の答弁をいただいたのではないかというふうに思っておりますので、多分、今までもやろうと思えばできたと思うんです。私がいろいろと聞いておりますと、できたんですが、これを機に、そして文化庁が京都に全面的に移転するというのを機に、それこそ京都府は、日本全体の文化・芸術行政を牽引していくというふうな重い責任を持つわけですから、こういった文化財行政のあり方についても、幅広く全国の状況を調査をして、最もよい方法を京都が他に先んじてとっているということを、これからも進めていただきたいというふうに要望いたしたいと思います。  総務部長からお答えがございました各市町村の人口目標の件ですけども、お聞きしてますと、まず国の人口ビジョンがあって、府の人口ビジョンが準じてあって、そしてそれに準じて市町村が人口を定めた後に、それを達成するためのいわゆる「しごとづくり」というふうな順番があると思うんですね。それが果たして現実的なのか、妥当かというところに、私はやはり疑問を持っているわけで、例えば、先ほど違うところの答弁で、実践農場の話もありましたけども、実践農場となりますと、これ、もう土地と限られているので、要するに、例えば農業で、土地が生産の基盤で土地が限られているので、例えば、もう人が入ってこられる数、それこそ生産額が限られて、人が入ってくる数が限られてくるんですよね。だからそこから、僕はその仕事から積算していって、人口というのはある程度出す部分も必要じゃないかなと思います。もちろん、人口を設定して、これをやるためにはどうしようかというところに知恵が出てくるというのもあると思うんですけども、これは地域ごとに、今非常に現実的に考えれば稼げる仕事って限られていると思いますし、それをどう綿密に、これでどれだけより稼げるか、そしてどれだけ人を養えるかという、そっちからの計算が必要じゃないかなと私は思いますので、そのあたりもぜひしっかりとお願いしたいと思います。  山林の件ですけども、先ほどの答弁で、森林組合との長期受委託の契約と、あと森林組合が経済的目的の保有が可能だということで、これ、両方とも森林組合の話になるわけなんですけども、この森林組合の経営力にかかってきますね。じゃあ、その森林組合は積極的にその営業をしているのかと。例えば、私の地元からは、そういう森林組合を相手にしたんじゃなくて、地方公共団体を相手にした話が出てくるわけですよね。そしたらこれ、森林組合相手だと、地域性とか各組合の経営力の差に、本当に大きな差がありますので、その山林の状況も、地域によって差がどんどん出てくると、ますます広がってくるということでありますので、ぜひとも地方公共団体の役割をもう一歩踏み込んで考えていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 35: ◯議長植田喜裕君) 次に、松岡保君に発言を許します。松岡保君。    〔松岡保君登壇〕(拍手) 36: ◯松岡保君 民進党・府民クラブ府議会議員団の松岡保であります。  先に通告しております数点について、知事並びに関係理事者に質問いたします。  まず最初に、地域創生戦略と地域コミュニティの課題について、お伺いいたします。  「日本創生会議による896の消滅可能性都市リスト」の衝撃的な発表から、政府は2014年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の中で、東京一極集中に歯どめをかける人口減少の克服を目指した総合的な政策を推進することを表明し、「まち・ひと・しごと創生本部」が立ち上げられ、その後、有識者会議での議論を踏まえ「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と5カ年の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に加え「まち・ひと・しごと創生法」において、都道府県や市町村も長期ビジョンと総合戦略を策定することが努力義務となりました。  今、府と市町村では、地方創生加速化交付金等を活用した事業が進められていますが、新聞記事によりますと、府内市町村の2060年時点の人口増加を見込んでいる4市1町と、減少すると見込んでいる11市10町の人口展望が掲載されており、本府の人口展望では、2010年の国勢調査数値から12%減の231万人となっており、市町村の最多数値を積み上げると239万人になっております。  この数値の大きな乖離を府としてどのように分析し、市町村の地域創生事業と府事業のすり合わせをどのように共有し、本府と市町村との連携をどのように今後進めていこうとされるのか、お伺いをいたします。  さて、地方創生戦略については、地域の実情を地域内外から的確に把握し、広域的に取り組む必要がある救急救命医療、広域交通、大学、消防、ごみ処理、雇用の確保等、本府の役割が今以上に求められています。  さて、地域創生を実現していくには、地域コミュニティの再構築が欠かせない課題となっています。  私も、居住する200世帯ほどの自治会の役員を10数年前と昨年と2回経験して感じたところでありますが、全国各地と同様に1990年代のバブル経済崩壊後、企業経営の悪化、雇用の不安定化、生活の緊迫化、高齢世帯の増加が人々の住民活動と住民組織への参加に陰を投げかけているのでないのか。特に余暇利用型有志組織の退潮、地縁型組織の活動の停滞が顕著にあらわれているように感じております。  また、少子高齢社会が進行している市町村や新しく開発された地域においては、町内会や自治会の役員のなり手がいない、町内会が組織されていないなどの課題が浮き彫りになっています。  町内会等の組織の加入率は、都市部では約50%、地方部では80%程度と目されていますが、私の手持ち資料によりますと、平成24年度に京都市が行った自治会・町内会に関するアンケート調査によりますと、平成25年度総世帯数69万4,135世帯のうち、推計加入世帯数は48万2,946世帯で、推定される加入率は69.6%と推計をされております。  また、宇治市が行った調査結果では、平成25年度末に市に届け出された町内会・自治会数は604団体、住民登録上の世帯数と町内会・自治会から届け出された加入世帯数から算出した加入数は67.11%、また未設立の地域も幾つかあるとのことであります。  私は、この質問にあたり、自治会・町内会に関する研究をされている石栗伸郎氏の「自治会・町内会の経営学」という書籍に目を通し、古代平安京に始まったのではないかという自治組織の歴史、町内会の原初となった「町」は、1467年から77年に起こった応仁の乱の廃墟の中から、暴力に対して生活の安全を守るために結成されていったとのことで、江戸時代、明治時代、第2次世界大戦から現在まで、その時々の社会環境等によって組織運営形態が変化してきたこと。また、今、自治会・町内会の置かれている現状と期待される役割、運営、地域における共益と公益を担っている自治会の活性化を図っていくことの意義を学んだところであります。  この問題をひもとくには、全国の自治会・町内会の基礎的データの蓄積が最も必要であるのではないかと結んでいます。  私は、地方創生の根本は、地域コミュニティの再構築が欠かせないのではないかと考えています。  本府においては、今日まで、まちの課題、チーム型解決のための「まちの仕事人」や「里の仕事人」を、また地域住民みずからによる地域づくり支援のための「まちの公共員」「里の公共員」など、地域の活性化に向けた数多くの事業を展開され、今年度では、平成27年度2月補正予算で、過疎・高齢化が進む地域の暮らしを支える「コミュニティ・コンビニ」整備事業費8,500万円を計上いただいているところであります。  自治会・町内会の問題については、第一義的には市町村の問題であると考えておりますが、地域の防火・防犯・防災活動、廃品回収を初め、溝・河川、道路の清掃や省資源活動を初めとした環境保全活動、青少年の健全育成活動、健康づくり活動のほか、行政への要望活動など、きめ細かい活動に取り組んでいる自治会・町内会が衰退していくという問題は、市町村共通の課題であると考えます。  そこで、知事に伺います。地方創生に当たり、欠かせないこの課題について、どのように認識されているのか、また、府と市町村の共通課題として、自治会・町内会の高齢化、組織率の低下が挙げられると考えますが、どのような取り組みが期待され、成果を上げるには何が必要とされるのか、お伺いいたします。  次に、非正規職員の処遇改善策について質問します。  私は、平成21年12月定例会代表質問で、知事に非正規職員の処遇改善策を質問し、知事から「これまでから一般職員や国・近隣府県の状況を考慮して処遇改善を実施してきたところであり、今後も人事委員会からの報告を踏まえ、人材確保の観点からも基本賃金の見直しなど具体的な改善策を検討の上、実施したい」との答弁があり、対応いただいているところであります。  さて、総務省統計局の労働力調査によりますと、1990年に881万人だった非正規雇用者数は、2014年に1,962万人、2016年では2,007万人と2倍以上に上昇し、非正規の職員・従業員の割合は37.6%に上がっています。  そして、「正規職員・従業員の仕事がないから」という男性は162万人となっており、男性の非正規雇用者の5割は世帯主という内容になっております。  また、非正規雇用者の約7割は、女性が占めています。中には非正規雇用を望むケースもありますが、正規雇用者数は年々減少しており、勤労者にとっては大変厳しい状況下にあります。  一方、地方公務員に目を向けますと、自治労本部が2012年6月1日を基準日として、自治労加盟自治体における臨時・非常勤職員の採用状況を調査し、全国の845自治体の状況を集約したものを公表した調査によりますと、警察や消防、教員を除き、当該自治体の臨時・非常勤職員は30万5,896人、正規職員は61万9,542人で、全体に対する非正規率は33.1%となっています。この率を未調査の自治体を含めて換算すると、全国の非正規公務員は約70万人と推計されます。  自治労は、2008年にも同様の調査を実施しており、その時点では、非正規数は約60万人、非正規率は27.6%であるとしていました。4年間で非正規率は「4人に1人」から「3人に1人」に拡大しています。同様の傾向は、2012年の総務省の統計でも、市区町村の正規雇用公務員は約92万人、非正規雇用公務員は約40万人となっており、全地方公共団体では2005年、2008年、2012年調査の結果、それぞれ45万5,000人、50万人、60万人へと大きく増加しております。  特に、公立保育園の保育士の約52%は非正規の保育士であり、学童指導員の約92.8%、消費生活相談員の86.3%、図書館司書の約67.8%が非正規公務員で占められているという調査結果が出ております。  また、この調査によりますと、求職を支援しあっせんする国の出先機関であるハローワークに勤務する人は、2014年度において、常勤職員1万1,040人に対し、非常勤の相談員が1万6,037人で、5人に3人は非常勤相談員という比率になっており、大変驚く結果となっています。  そこで、本府の臨時職員と非常勤職員の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  この問題を取り上げましたのは、2013年4月施行の改正労働契約法第22条1項では、「この法律は国家公務員及び地方公務員については、適用しない」となっており、労働契約法における有期労働者の権利保護規定である、1.必要以上に短い有期労働契約を反復更新しないこととする配慮義務、2.有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換、3.解雇に類する雇いどめの禁止、4.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止など、民間の労働者に適用される労働者保護の仕組みから排除されていると同時に、第三者機関である人事委員会・公平委員会に、みずからの不利益な取り扱いについて審査請求することができないほか、行政不服審査法も適用除外されています。  また、パートタイム労働法と言われる「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」第29条でも公務員は適用されず、2014年改正パートタイム労働法9条が定める正社員との差別取り扱いの禁止措置を講ずる必要性が求められず、雇用管理の改善措置内容を説明する義務や、臨時・非常勤職員からの相談に対応する体制の整備という使用者としての最低の義務も免除をされております。  さらに、労基法14条2項・3項が求める「契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くする措置」も、地方公務員に適用されないため、使用者は恒常的な業務に従事させているにもかかわらず、必要以上に短い期間を定めて臨時職員を採用し、その有期雇用を反復更新し、いざとなったら解雇に類する雇いどめを行うということが許される状況下に置かれています。まさに、臨時・非常勤職員は、公務員にある権利保護規定から排除され、民間労働法制の権利保護規定も適用されない環境にあります。  そこで、知事に伺います。本府においては、臨時職員、非常勤職員等の勤務条件については、他府県に劣らない特段の配慮をされていると承知しておりますが、先ほど取り上げました労基法等で守られていない条件についてはどのようにお考えなのか。また、相談体制や処遇改善策については、何を基準にどのように対応されているのか、お伺いしたいと思います。  ここまで質問させていただきます。 37: ◯議長植田喜裕君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 38: ◯知事(山田啓二君) 松岡議員の御質問にお答えいたします。  まず、市町村の地域創生事業と府の事業の整合性の問題でありますけれども、人口ビジョンの点が御指摘がありました。府の人口ビジョンは、国の長期ビジョンを勘案しながら、自然増減や社会増減に関する仮定を置いて、ただ、ふえたり減ったりするという予測をするのではなくて、私どもは一定の幅を設けて、その中で定住人口、交流人口という考え方を持って戦略的に人口ビジョンをつくってまいりました。また、多くの市町村でも、自然増減につきましては国の長期ビジョンとおおむね同程度の仮定を用いているんですけれども、社会増減に関しましては、一定の人口規模の維持または増加を目指すそれぞれの市町村の目標や思いを反映したものになっております。府と市町村が進める地域創生戦略にそごがあってはいけませんけれども、人口ビジョンはある面でいきますと、意気込みとか思いの問題でありまして、また人口ビジョンによって何かインセンティブがあるわけでもありませんので、その点からすると、無理に統一する必要はないというふうに思っておりまして、それぞれの市町村の想定を今尊重しているところであります。  ただ、一方では、地域創生戦略の策定自身のほうは、これは府の職員が市町村の戦略会議に参加いたしますとともに、さまざまな機会を活用して、国、府、市町村間の情報共有や意見交換を行い、各市町村の事業の構築について助言をしてきたところであります。とりわけ少子化対策や人づくりの観点からの第3子以降を対象とする保育料等の免除ですとか、海、森、お茶の地域資源を生かしたもう一つの京都づくりですとか、府の移住コンシェルジュやジョブパークと市町村の受け入れ体制の整備や定着支援を組み合わせた移住促進事業などにおきましては、まさに府と市町村の連携によってこの取り組みを進めてきているところでありまして、こうした取り組み自身は評価されて、国の地方創生加速化交付金において、1市町村当たりの交付額では全国トップという成績を上げることができたというふうに思っております。  引き続き、府と市町村の戦略や取り組みの効果を高め、市町村単独で十分に対応できないものについては、相互の連携を進めるべく、現在、取り組みが進められております北部地域連携都市圏に加えまして、人口減少が著しい、非常に今厳しい相楽東部地域などでも、連携の深化・拡大を支援して、地域創生へとつなげてまいりたいというふうに思っております。  次に、地域コミュニティの課題でありますけれども、私どもの一番問題意識というのは、地域コミュニティというのは、行政を行う上での基本的インフラになっていたのではないか。一番のわかりやすい例が、これは治安行政だと思うんですけれども、かつてですと、ちょっと怪しい人がいたら、みんなが注意していく。そして、それによって安全を保てると。しかし、都市化が進む中で、新興の住宅街などは、誰も見ている人がいない。そうした中で犯罪が行われてしまう、こうした点がある。例えば、そのほかにも清掃や防災、子どもやお年寄りの見守りから青少年の健全育成まで、地域というのは行政がしっかりとした施策を行うための大きな土台であったと思うんです。  そして、今、それが大変崩れているということは、市町村行政だけではなくて、都道府県行政自身も困難に直面をしていると思っております。この原因といたしましては、農村部では少子高齢化や過疎化と相まって、地域コミュニティが弱体化している。都市部においても、家族形態やライフスタイルの多様化、プライバシー意識の高まりなどによって個人が孤立してしまう状況が生まれている。その中で、町内会や自治会が形骸化したり下請化してしまって、活発な活動についての動きがなかなか見られなくなってきているという点が上げられるというふうに思っております。  こうした問題、課題を意識いたしまして、私どもといたしましては、平成23年1月に策定した「明日の京都」長期ビジョンで「人と絆を大切にする京都」を掲げ、中期計画におきましても、地域共生の実現を大きな方向と掲げ、まさに町内会・自治会を初めとした地域のコミュニティが活動をどんどん発展させることができるように、地域力の再生交付金の制度を創設いたしました。さらにまた、なかなか人がいないということに関しましては、「里の仕事人」ですとか「里の仕掛人」ですとか、また「まちの公共員」や農村部の公共員なども入ってリーダーづくりを行っていくということをしましたし、都市化によるきずなの喪失につきましては、特に治安面では、地域防犯の協働ステーションを設けるなど、まさにきずなづくりをしていったということであります。  同時に、こうした町内会・自治会だけではなくて、新しい動きでありますNPOですとか、さらには都会と都市の交流、こういう従来の枠組みを超えた動きを奨励することによって、町内会・自治会の衰退を補うということもやっておりまして、NPOにつきましては交付金をやっておりますけれども、さらに、例えば綾部の古屋地区では、トチの実拾いに学生さんやボランティアの方が必ず行くというような形での交流人口の増など、新しい地方の枠組みというものをつくることによって、これからの地域の再生に取り組んでいきたいと思います。  さらには、小さな拠点の京都モデルとしてのコミュニティ・コンビニ、ことしはモデル的に取り組んでおりますけれども、こうしたコアな部分と、人と、そして交流を展開しながら、地域のコミュニティがこれから新しい形でまた再生できるように、地方創生をさらに進めていきたいと思っております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。 39: ◯議長植田喜裕君) 西村職員長。    〔職員長西村紀寛君登壇〕 40: ◯職員長(西村紀寛君) 京都府の臨時非常勤職員の任用状況でありますが、平成27年度は主に臨時的、補助的な業務などの職に任用する臨時職員が通年換算で530人、特定の学識経験等を要する業務などの職に任用する非常勤嘱託職員が498人でありまして、一般職員4,557人を含めた職員全体に占める割合は18.4%となっておりまして、ここ数年ほぼ横ばいの状況でございます。労働条件につきましては、非常勤職員の方などにつきましては、一般職員の業務とは違って特定の経験等に基づいて特定の業務の仕事を行っていただいているということはございますけれども、臨時・非常勤職員の方々が府政の円滑な運営において一定の役割を担っていただいていることから、引き続き頑張って働いていただけるよう、一般職員とのバランス、国、近隣府県等の状況も考慮しつつ、賃金改定や育児休業、子育て休暇の創設・拡充といった処遇改善を順次行ってきているところでございます。  ただし、有期雇用に関する取り扱いにつきましては、地方公務員法上、「職員の任用に当たっては、競争試験などによる能力実証を行うこと」とされているため、一定の雇用期間の達成を理由に、正規職員として採用できるといった労働関係法の規定をそのまま適用できませんが、これまでから、その趣旨等を踏まえた対応をしてきております。例えば、嘱託職員であれば、任用期間は1年以内と定めておりますが、それを理由に一律に退職を求めるのではなく、毎年度、その職の必要性を点検の上、原則公募を行い、適任者であれば継続雇用できるようにしております。  また、相談体制につきましても、一般職員と同様に所属長が責任を持って対応するほか、弁護士による法律相談も利用できる制度としておりまして、今後とも、地方公務員法を遵守しつつ、民間の労働法制の趣旨も踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。 41: ◯議長植田喜裕君) 松岡保君。    〔松岡保君登壇〕 42: ◯松岡保君 非正規・臨時職員の処遇改善につきましては、引き続き、働きがい、やりがいのある処遇をぜひよろしくお願いしたいと思いますし、少子化が大きな課題になっておりますので、その辺も十分に御配慮をいただきますことをよろしくお願いをしたいと思います。  また、地方創生の問題ですが、よくいろんな本を読ませていただくと、コンパクトシティーで、そこで第一義的に処理のできるようなミニ東京を目指すような考え方の方もたくさんおられるんですが、知事のほうはやっぱりワンストップで、クラウド型またネットワーク型で、今ある市町村を活性化しながらやっていきたいという強い思いを持っておられますので、ぜひ市町村が自立をできるような状況をつくり出していただくように、人材の確保、それらを十分に活用していただけたらと思います。  私も一昨年、松江から60キロ海上で離れた隠岐の島の海士町の山内町長さんとお話をさせていただく機会がありまして、あそこも高校がなくなるというような一つの大きな問題から、地域で特産物をうまく利用して、人材を呼び込んでやって成功されているような事例をお聞きしました。そういう先進的な事例もぜひ府内に広げていただくように、府内のそれぞれの知恵を絞っていただくような施策をよろしくお願いをしたいと思います。  最後の質問に移ります。それでは、子どもの学力と人間形成の向上に大きな影響力を持つ教員業務の負担軽減施策について、教育長に質問いたします。  私は、平成19年6月定例会代表質問で、国の将来を左右する最重要課題が人づくりであり、教育に直接かかわる教員が、当時問題になっていた、「教員や学校などへ乗り込んでくるモンスターペアレンツやヘリコプターペアレンツなどの対応に教員が手を焼いているのではないのか、教員が子どもと接する時間を確保できる環境を整備する必要があるのでは」と質問し、教育長は「教員業務の見直しが喫緊の課題であり、事務作業の整理・統合などの合理化、地域ボランティア等の連携や困難な課題を解決するための専門家を交えた体制づくりを行う」と答弁いただいたところです。  そして、平成20年2月定例会代表質問で会派の先輩議員が、「庁内のワーキングチームの現況と今後の対策」を質問され、教育長は「京都府独自に作成した保護者対応マニュアルを実践活用する研修の実施、退職教員による学校支援アドバイザーの配置、精神科医や弁護士などの専門家との連携で学校支援体制を整備していきたい」と答弁されたところであります。  それ以降、学校の部活動に外部のスポーツ指導者を招聘するなど、各種施策によって教員の業務の軽減を図ってこられたところでありますが、先日テレビで、放課後、土日、休日の部活動での勤務など、先生の「ブラック超勤問題」が放映されたのを拝見いたしました。  そこで、本府教育委員会として教員の負担軽減のための施策については、平成23年度には「教員の多忙解消実践研究事業」、平成27年度には「部活動の実態に関する調査」を実施されてきたところでありますが、どのような成果を上げられているのか。また、事業や調査結果を受け、どのように取り組まれているのか、お伺いしたいと思います。
     次に、教員の勤務時間を縮減するためには、事務処理などの学校業務の改善も必要であり、そのためには、教員や保護者への啓発・理解も重要であると考えますが、どのような対応をいただいているのか、お伺いします。  また、苦情対応マニュアル「信頼ある学校を創る」を作成され、ノウハウを発信されていたり、課題解決のための相談体制の構築、外部人材の活用による教員の負担軽減を実施されておりますが、どのような成果を上げられているのか。さらに、これらの組織体制の今後の展開と課題はどのようなものがあるのか、お伺いいたします。  今日まで「教育改革」がさまざまな観点で議論され、また提言も数多くなされておりますが、将来の日本社会を支える子どもをいかに育てていくのか、その最先端に立っておられる教員が、「子ども中心の教育を行うという情熱とやりがい」を保ち続けていくために必要不可欠であるという観点から質問をさせていただきました。教育長の御所見をお伺いし、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 43: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 44: ◯教育長小田垣勉君) 松岡議員の御質問にお答えをいたします。  教員の負担軽減についてでございますが、多くの役割が学校や教職員に求められる中で、教員が子どもと向き合う時間の確保が大きな課題となっております。  このような状況に対応するため、平成23年度の多忙解消の研究成果を生かし、教員が行っていました会計事務等の事務部への移管を初め、調査や会議の精選などにより事務負担の軽減を図るとともに、学校業務改善リーフレットを全教職員に配布をいたしまして、さらなる業務改善に向けまして、教員の意識改革に取り組んできたところでございます。  また、理不尽な要求等への対応につきましては、苦情対応マニュアルを用いました研修の実施や相談体制を構築するなど、特定の教員が抱え込むことなく学校組織としてより適切に対応できるよう、改善を図ったところでございます。  加えまして、平成27年度の部活動実態調査によりまして、土日や祝日の活動実態を把握するとともに、休養日や学校閉鎖期間を設定するなど、バランスのとれた適切な部活動の実施につきまして、学校に注意喚起をするとともに、外部の人材に来ていただくなどにより、負担の軽減を図っているところでございます。  こうした取り組みに当たりましては、子どもたちや保護者の理解と協力が不可欠であることから、今後はそうした啓発にも努めてまいりたいと考えております。  現在、学校が抱えております教育課題が従来にも増して複雑化、多様化いたします中で、教員が部活動指導員やスクールソーシャルワーカーなどの専門性を持つ多様な人材と連携分担しながら組織力を高めていくチーム学校の推進につきまして、国においてプランを策定し、法令改正等が検討されているところでございます。  そうした動向を的確に把握し、必要な人材を配置するための財源確保を図りながら、本府の実情に応じました効果的な配置、活用方策を検討するための庁内組織を既に立ち上げたところであり、チーム学校の体制を整備することなどにより、教員が子どもと向き合い、しっかりと指導できる環境づくりを一層推進してまいりたいと考えております。 45: ◯議長植田喜裕君) 次に、四方源太郎君に発言を許します。四方源太郎君。    〔四方源太郎君登壇〕(拍手) 46: ◯四方源太郎君 自民党議員団の四方源太郎です。一般質問の機会をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、綾部駅前に構想されている「北部リサーチパーク」について、お伺いいたします。  「北部リサーチパーク」のことは、昨年12月議会の代表質問で質問し、知事からは「京都リサーチパークをモデルに京都府、綾部市、グンゼ、京都工芸繊維大学の4者が共同で新たな産業集積の創出につながる拠点づくりを目指して検討を進めている。特にグンゼの研究機能や「北部産業技術支援センター・綾部」の強化、京都工芸繊維大学との連携などを通じて、産業人材の育成機能やインキュベート機能、そしてリエゾン機能などが付加されたような北部リサーチパーク構想を描いている。今後、開発型産業などの集積、研究機能等と職・住交流の一体による新しい形の拠点となるように京都府としても取り組みを進めていきたい」という、大変力強い答弁をいただきました。代表質問でしたので、テレビ中継もなされ、また翌日の京都新聞にも大きく掲載いただいたことで、多くの方がこの答弁をお聞きになり、私にも大きな期待の声が寄せられております。    〔議長退席、副議長着席〕  この知事答弁を機に、水面下で調整されていた「北部リサーチパーク構想」が表に出て、大きく前進していくものと期待が高まっております。今年度当初予算に「北部リサーチパーク推進事業費」たったですが、100万円は計上していただきましたので、この予算を活用し、今どのような推進がなされているのか、教えてください。  また、この「北部リサーチパーク」の中心には、京都府の施設である「北部産業技術支援センター・綾部」があります。平成19年に開設され、企業の研究や技術支援に大きな役割を果たしていただいておりますが、この施設の土地と建物については、10年間の約束でグンゼから綾部市が無償で借り受け、府に提供して開設されています。この約束の10年というのは、今年度契約期間の満了を迎えます。  京都府北部の雇用について、量の拡大と質の向上を目指すときに、「北部産業技術支援センター・綾部」の施設強化は大変重要であると考えます。京都府としては、まずは北部リサーチパークの中核である「北部産業技術支援センター」を新しく立派なものに建てかえていただくことだと思います。この「北部産業技術支援センター」の強化について、今後の計画や知事の見解をお聞かせください。  ここで一旦答弁を求めます。 47: ◯副議長(巽昭君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 48: ◯知事(山田啓二君) 四方議員の御質問にお答えいたします。  「北部リサーチパーク」についてでありますけれども、京都縦貫も構想からできるまで40年かかったわけでありまして、もちろんそれだけかける気はございませんけども、半年で急にそんなに展開がどどっといくようなものでも、これはないと思います。この構想は、京都府、綾部市、グンゼ、工繊大、これが敷地はしっかりありますので、そして一定の核はありますので、それを利用して、これからそれぞれの役割分担を決めて、どういう構想をしていくのかということを練り上げていき、そして、その上に初めて成るものだというふうに思っておりますけれども、まずこの4者において、ものづくりをコンセプトにして新たな交流創出エリアを目指すという大きな方向性については、合意をいたしました。そして、綾部を初め中丹地域は生産技術にかかわる企業が多いわけでありますから、この地域特性を踏まえて、生産技術開発の高度化とそれを支える人材育成を方針として各団体が取り組みを進めていこうという形になりました。  まず、京都府におきましては、北部リサーチパーク構想の中核となります「北部産業技術支援センター・綾部」について、土地所有者であるグンゼや地元綾部市と、施設強化の具体化に向けた調整を現在行っておりまして、その結果に基づき今年度予算を活用して、再整備計画を策定をしていこうじゃないかというふうに思っています。  グンゼは、不足していた立地、企業技術者の住まいとしても使える住居の提供を開始し、既にグンゼ社宅6棟48戸のほか、他の立地企業の従業員も入居可能な賃貸住宅4棟40戸の入居が始まっておりまして、住友理工関連会社の事業所の新設や、京セラの工場増設など、周辺で進む企業立地に対応できる住環境も整えつつあります。  また、綾部市は、グンゼスクエア内にあやべ特産館を整備したほか、関係機関が連携し、グンゼ社宅跡地に大型商業施設の開業に向け法手続を開始するなど、地域活性化の拠点づくりを図っております。  そして、京都工芸繊維大学は、昨年度に府が資金獲得を支援しました国の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」によりまして、ものづくり企業での学生のインターシップの推進を図っておりまして、現在、府も協力しながら受け入れ先確保を図っているところでありまして、まずようやくそれぞれが動き始めたという、まだ段階であります。  その中で、「北部産業技術支援センター・綾部」についてでありますけれども、9年間で約1万件の技術相談に対応いたしますとともに、延べ4,400名を超える技術者に技術研修を実施、振動試験機や走査電子顕微鏡などの機器を備えており、約6,000回の機器貸し付けのうち、7割が地元、そして3割は地元以外という形になっておりまして、その点から申しますと、このセンターというのは、地元ものづくり企業と地域外企業とのオープンイノベーションを進めていく開発のゲートウエー拠点となっていくのではないかなというふうに考えているところであります。  ただ、このセンターは、今御指摘がありましたように、平成19年度に駅前の1等地の施設を10年の期限つきでグンゼから無償で借り受けておりまして、機器設置は京都府が、施設改修は綾部市がそれぞれ分担することにより、設置をしております。その点から申しますと、まずグンゼ、京都府、綾部市が、これから具体的な装備についてどういう形で考えていくのか。建物や機器の具体的な配置イメージ案もお互いに出し合い、建てかえも含め施設強化の実現についてのこれから一生懸命協議していかなければならないというのが、まず今一番大きな課題になっているところでありまして、整備費用の分担などについて調整し、何とか期限内を目途に基本的な構想をまとめていこうというところでございまして、そういう中で今取り組みを進めているところであります。 49: ◯副議長(巽昭君) 四方源太郎君。    〔四方源太郎君登壇〕 50: ◯四方源太郎君 答弁ありがとうございます。  京都縦貫道のように40年かかると私も82歳になってしまいますので、もう少し早い時期にはお願いしたいと思いますが、先ほどお話しいただいたように、北部リサーチパークの構想全体というのは、もちろんこれは時間をかけて、京都府だけでやれる話でもありませんので、そこは時間がかかると思いますが、まず京都府にやっていただきたいのは、北部産業技術支援センターのこの期限が来ておりますので、先ほど知事がおっしゃったように、何とか期限内に一定のめどを立てて、グンゼのほうにもこういう協力をというお願いをしていただかないと、やっぱり民間企業ですので、どうしても自分たちの会社としてもそれなりに、決まらないならやっぱり違うことに使おうという話が出てきても、せっかくの話がとまってしまっても困るなと思いますので、ぜひ早い目の検討をお願いしたいなと。そして、やっぱり北部産業技術支援センターは、ものづくりに携わる若い人たちが、ものづくりの産業というのがこれからの重要な産業なんだということを感じられるようなデザインとか、中身とか、そういう本当に明るい希望の持てる施設として、ぜひ新しくつくり直していただきたいなということを要望させていただきまして、次の質問に移ります。  次に、北陸新幹線の敦賀以西ルートについて質問します。  御存じのとおり、候補は3つに絞られ、滋賀県が推す米原ルート、JR西日本の小浜から直接京都駅に向かうルート、そして京都府が推す府北部を経由して京都駅に向かうというルート、この3本に調査費がつき、年内には与党のプロジェクトチームで結論が出されるのではないかと言われております。私はもちろん、京都府の推すルートを支持しております。  南北が高速鉄道で結ばれることによって、京阪神や北陸から府北部への観光客の増加、企業や大学の立地促進など、大きな効果が見込めます。府北部だけでなく、兵庫県北部や福井県嶺南地方を含めた北近畿全体の人口減少を食いとめるためにも、京阪神や北陸としっかりとつながる高速鉄道が必要です。  府北部では、高速道路が開通しジャンクションが完成したことで、企業進出にも弾みがついており、次は新幹線駅を、というのは、定石どおりの「絶対の一手」だと考えます。  並行在来線問題など、もちろん新幹線の是非について、私もさまざまな意見を聞かせていただいております。しかし、30年、50年後に振り返って、府北部に新幹線が走っていたほうがいいか、走っていないほうがいいか。それを考えるときに、私は走っていなければならないと思うのです。  山田知事は、我々のそういった思いをしっかりと受けとめ、日本海側国土軸が必要だ、京都府にはしっかりとした南北軸が必要だとの従来からの御主張のとおり、「府北部ルート」を京都府の第一候補と定め、既に国に対して、その優位性を強く主張していただいているところです。  舞鶴市の多々見市長を会長とする北部5市2町の北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会では、3月に1,000名を超える決起集会を綾部市で開催し、その後も首長や議員、地元経済界等の要望団が繰り返し上京して、国会議員や国交省等に陳情を続けております。陳情先では、時折、「整備新幹線は政治新幹線なんです」という話が出ます。実現のためには、あとは地元の国会議員の皆様の手腕にかかっていると私は思います。その政治力で、我々の願いがかなうものと固く信じております。  一方で、JR西日本のルートになった場合、幾つか懸念を感じます。  敦賀から小浜市を通り、直接京都駅へというのは、小浜市の南に位置する京都府域には「芦生の森」があり、ここは先ごろ、京都丹波高原国定公園として指定を受け、京都府もここを地域振興の中核として、「森の京都」事業等を進めようとしている宝の山々がある場所であります。  また、この「芦生の森」を水源として、南丹市美山町、そして京丹波町和知、綾部市、福知山市、舞鶴市を流れて、宮津市の由良海岸に注ぐのが、私たち中丹・南丹住民の命の川である由良川であります。私たちの命の源とでも言うべきところにトンネルを掘って新幹線を通すということに、大いなる危惧を覚えます。京都縦貫道の工事の際にも、掘られたトンネルによって水の流れが変わり、田んぼに水が入らなくなったという苦情もありました。  トンネルを掘る際には、たくさんの土を運び出す必要があり、大きなダンプが毎日のように行き交う作業道もたくさん必要でしょう。国定公園に作業道が張り巡らされ、何年もの間、ダンプカーが走り回るという姿が、私には想像できません。  「芦生の森」が国定公園化されるという話が出た数年前、自民党議員団で国定公園の先進地として、鹿児島県の屋久島を視察に行きました。若手の6名の議員は、実際に現地を見るということで、屋久杉まで往復約22キロ、朝6時から夕方6時ごろまで山道を歩きながらガイドさんの説明を聞き、自然環境の保全と観光収入のバランスのとり方について勉強してきました。  町役場でもお話を聞きましたが、観光客をふやそうというのではなく、自然保護のために、森に入る人数に制限をかけようという議論が地元で起こっているとのことであり、屋久島を貫くトンネルを掘ろうなどという発想など、もちろん全くありませんでした。JR西日本ルートに決まった場合には、国定公園や由良川の水源地は避けるよう要求しなければならないと思っております。これについて、知事はどのようにお考えでしょうか、御見解をお聞かせください。  また、地元負担の話ですが、JR西日本ルートだと、京都府にとっては駅のつくりようもない山の中を新幹線が走ることになると思われますが、それでも府はそこへの負担を求められるのでしょうか。私は、そんなところの負担は京都府がするべきでなく、その場合は山陰線(園部-綾部間)の複線化に府のお金を回していただきたいと思っています。  私はこれまでから山陰線複線化も主張してきました。山陰線の複線化には900億円かかると言われたりしておりまして、ちょっと高いなあと思っておりましたが、新幹線の話が出てくると、金銭感覚が変わってきまして、新幹線は1兆円を超すような規模なので、複線化はたった900億円でできるのか、と思うようになりました。  新幹線が北部に来なかった場合には、当然、山陰線の複線化をすぐに進めなければなりません。新幹線が来るとしても、山陰線複線化は同時に取り組むべき課題だとも思っております。この京都府の負担について、山の中を走るトンネルの分も京都府の負担になるのでしょうか。なるのだとすれば、それはやむを得ないとお考えなのか、そうではないのか、見解をお伺いします。  次は、原発隣接地の停電対策と避難路整備についてであります。  何度も申し上げておりますが、私の選挙区である綾部市は、高浜原発の10キロ圏に入る地域もあり、また30キロ圏には市域の半分ほどが含まれます。この原発に最も近い奥上林という地区に古和木という自治会があり、先日、この自治会の方々と懇談する機会がありました。古和木は、4年前の平成24年1月下旬に、28時間という大変長時間にわたって停電したこともあり、奥上林地区、中上林地区では、このような停電が頻繁に起こっております。  停電の主な原因は、冬に雪の重みで木が倒れ、電柱や電線を倒してしまうことだそうです。関西電力は電力不足による停電を起こさないため、原発再稼働の必要性を主張しているわけですが、それならなぜ原発に近い上林地区の停電対策にもっと真剣に取り組み、停電ゼロを実現しようとしないのか、不満に思います。  日ごろから地域を回って、電線を倒してしまう可能性のあるところは木を切るなど、必要な対策を講じればよいのだと思いますが、ある程度はやってもらっていますが、停電は一向にゼロになりません。そもそも根底には、人口の少ないところに赤字で電気を送っているだけでもありがたいと思えというような気持ちがあるのではないか。国策として、全国民のために電気の確保が必要だと言うのなら、人口の多い大都市の電力消費地ばかりに目を向けず、日本国内の隅々まで、特に電力生産地である原発に隣接する過疎地への対策を軽視するべきではないと考えます。  同じ綾部市でも、私が住んでいる市街地では、一瞬の停電はありますが、1時間以上の停電は、最近ではほとんど記憶がありません。たくさん電気を買ってくれるお客さんを重視すると同時に、その電気をつくり出している上林のような地域にも、もっと目を向けていただきたい。その点について、私は昨年所属していた防災・危機管理対策特別委員会でも何度も対策を求めて、京都府から関西電力に強力に申し入れてほしいと言ってきましたが、それはどのように伝えられ、そしてどういった対策が講じられているのか、教えてください。  また、避難路特別枠として、今年度ようやく5,000万円が計上され、小浜綾部線と舞鶴の田井中田線に2,500万円ずつをつけていただきましたが、奥上林で同様に停電で苦しむ行きどまりの集落である古屋自治会からも、南丹市美山町鶴ヶ岡に抜けるトンネルを掘ってほしいという要望活動が、両方の住民から長年続けられておりますが、そういった要望には全く応えられるほどの金額ではありません。  これについて、さらに1桁ふやすほどの増額を今後求めていただきたいと思っておりますが、それについても見通しやお考えをお聞かせください。 51: ◯副議長(巽昭君) 小林企画理事兼危機管理監。    〔企画理事兼危機管理監小林裕明君登壇〕 52: ◯企画理事兼危機管理監(小林裕明君) 綾部市上林地区の停電問題についてでございますが、議員の特別委員会での御指摘を踏まえ、京都府といたしましても、地域には高齢者も多く、基本的なインフラである電気がとまることは避けなければならないと考えておりまして、関西電力に対しまして、強く改善を求めてきたところでございます。  先般、関西電力から受けた説明によりますと、停電の原因は冬場の積雪による樹木倒壊が大半であり、特に大雪のあった2011年度には、除雪車も入れず復旧が遅延し、長時間にわたる停電が発生。また、上林地区では8つの地域に分けて電力供給が行われており、手前の中上林地域での事故によりまして送電が遮断されますと、その先の奥上林全ての地域が広範囲に停電となる状況にありまして、そのための対策といたしましては、降雪前に巡視を実施し、電線に接触しそうな樹木については、樹木所有者の同意の取りつけに当たりまして自治会長の協力を得て伐採範囲を拡大する。さらには、関西電力が独自に除雪契約を締結し、迅速に復旧できる体制を整備する。さらには、中上林地域での停電が奥上林地域に波及しないよう、送電遮断装置の設置箇所を見直し、停電エリアを縮小するとのことでございました。  京都府といたしましては、関西電力に対しまして、これらの対策を冬までに実施するよう求めたところでございまして、今後とも、地元の意向を十分踏まえ、適切に対応するよう申し入れているところでございます。  次に、原発避難路についてでございますが、一部の避難路は、地震や水害、冬期の豪雪時には通行が困難となるほか、福井県が京都府内に避難路を設定しているために自家用車による渋滞が想定されるなど、府民の円滑な避難の実施に大きな課題があると考えております。このため昨年12月、京都府から国に対し、避難路の整備や改修の財源措置について強く要望したところ、今年度につきましては、特例的に国の財源を確保でき、舞鶴市、綾部市の主要避難路2路線の新規整備に着手できました。来年度以降の措置につきましては、先日、知事が経産副大臣に確実な財源確保に向けた新たな枠組みの構築を提案したところであり、副大臣からは、前向きな回答を得たところでございます。  今後とも、避難路整備に必要な財源を恒久的に確保できるよう、強く国に求めてまいります。 53: ◯副議長(巽昭君) 東川建設交通部長。    〔建設交通部長東川直正君登壇〕 54: ◯建設交通部長(東川直正君) 北陸新幹線の敦賀以西ルートについてでございますけれども、与党PTの北陸新幹線敦賀-大阪間整備検討委員会におきまして、知事から、日本海側の国土軸の形成、地域経済の発展の観点から、京都府北部地域を経由するルートを提案し、去る4月27日の中間取りまとめにおきまして、敦賀-京都間につきましては、小浜-舞鶴-京都ルート、小浜-京都ルート、米原ルートの3ルートが調査対象とされたところでございます。  このうち、小浜-京都ルートにつきましては、小浜と京都駅を単純に結んだ場合に、議員御指摘のとおり、京都丹波高原国定公園内の由良川の水源地域を通過する可能性がございまして、現在、その詳細なルート候補については、国において調査が行われているところでございます。地域の自然環境の保全については、国の調査において当然配慮されるべきものと考えておりまして、どのルートでも同じような環境の問題ということが出てくると思われますので、国にはしっかりと調査していただけるよう、申し入れていきたいと考えております。  また、府としては、半年後に取りまとめが予定されている調査結果が出れば、改めて必要な対応を求めてまいりたいと考えております。  また、整備新幹線の建設費の負担についてでございますけれども、全国新幹線鉄道整備法という法律によりまして、国及び新幹線鉄道の存する都道府県が負担することとされておりまして、現行ルールでは、受益にかかわらず府域を通過する場合は負担を求められることとなっておりますけれども、途中駅もなくトンネルだけで通過する区間に対する負担は、大変厳しいものと考えているところでございます。本来、都道府県に負担を求める場合は、受益に応じた負担とすべきと考えており、関西広域連合でも検討すべきと考えてお願いしているところでございます。  知事から2月17日の与党PTにおいて、そのことを主張し、どこにどういう受益が発生するかなど、国でしっかり調査していただくようお願いし、先日6月8日の政策提案でも、国家プロジェクトとしての重要性を踏まえた国と地方との負担のあり方の見直しを、国土交通大臣に要望したところでございます。  今後、調査が実施され、国からルートや費用負担の案が示された段階におきましても、国に対し、必要な対応を求めてまいりたいと考えております。  なお、山陰本線の高速化、複線化につきましては、本鉄道が府民の生活圏の拡大、地域社会・経済の発展に寄与するものであり、これまでから沿線市町と連携して利用促進に取り組むとともに、勉強会を設置し活性化策を検討してきており、引き続き努力してまいりたいと考えております。また、国に対しても、JR線整備に対する支援制度の創設などを引き続き要望してまいりたいと考えております。 55: ◯副議長(巽昭君) 四方源太郎君。    〔四方源太郎君登壇〕 56: ◯四方源太郎君 御答弁ありがとうございます。  いろいろと我々の声を受けとめて、それを国や関西電力やいろんなところに働きかけをいただいておりますこと、私も新聞等で、この間も知事が大変激しくそういった我々の声を代弁していただいていたことを心強く思っておりますし、それのためにも、我々もやっぱりしっかり地域住民の声をこういうところで上げていかなければいけないなということも、改めて感じております。  北陸新幹線の件につきまして、また山陰線の複線化の件につきまして、東川部長からもよい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  おっしゃっていただいたように、これからどういうふうに決まろうとも、やっぱり我々のためにとってよい決断となるように、これからも意見を言っていきたいと思いますし、私とすれば、たとえどんなに大丈夫だと言われても、由良川の源流をトンネル抜くというのは、やってほしくないなと。何かあったときに、もうそれは何かあってごめんなさいとかでは済まない話になってきますので、ルートとしては、私はやっぱり舞鶴まで来て、そこから南下していくというのが一番自然なルートだと思いますので、ぜひそういうことをまた力強く訴えていただきたいなと思います。  原発の隣接地の停電対策につきましても、関電のほうでもいろいろと考えてはいただいてはいるんですが、この間も私も関電の方と話していまして、除雪車が入れないというか大雪になって入れないので、除雪車が入るのに時間がかかるんですと、それが28時間とかいうことになるんですと。ということは、それは府道が細いということかという話なんで、そういうところの手の届かない府道の整備は、そこは別のお金でやっていただく。そのためには、今の5,000万ぐらいのお金ではちょっとした整備しかできませんので、やはり5億とか10億とかいうような金額のお金をしっかりそういうとこに投じることによって、それで原発がある程度必要なんだということの理解も得られるのではないかなと。私は、別に原発をなくしたらいいと思うわけではないですが、ただ、あんまりこういうような対応が続いていると、本当に原発推進の方々も、地域住民の方の中にはそういう方も逆に、こんなことではやっぱりおかしいのと違うかと、国とか関電の言うことが信じられんようになってくるというような声も出てきておりますので、そろそろ早くに対応をとっていただかないと、私は国のためにもならないのではないかなということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 57: ◯副議長(巽昭君) この際、午後3時45分を目途に本会議を再開することとし、休憩いたします。    午後3時21分 休憩            ────────────────────    午後3時47分 再開 58: ◯議長植田喜裕君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、磯野勝君に発言を許します。磯野勝君。    〔磯野勝君登壇〕(拍手) 59: ◯磯野勝君 私は、自由民主党議員団の磯野勝でございます。  今回は、大きく2つの項目につきまして、知事並びに関係理事者の方に質問をさせていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。  初めに、京野菜のブランド戦略について、お伺いをいたします。  本府におかれましては、消費者に本物の京野菜を提供するため、品質的にすぐれた府内産の農作物を市場や消費者にPRし、高い付加価値をつける目的で、平成元年度から府内産農産物のブランド化に取り組まれているところであります。  その背景には、なかなか農業者の所得が上がらず、それに連動して後継者が育たず、府内の農業生産の将来がなかなか見えてこないという現状があるからだと思われます。  私は、京野菜のブランド化の現状を把握するために、先日、東京の大田市場及び石川県で京野菜に追いつけ追い越せと加賀野菜のブランド化に力を入れて取り組んでいらっしゃる金沢市の農産物ブランド協会のほうに、視察研修に行ってまいりました。  本府が府立大学と連携して京野菜の機能成分研究を実施するなどのデータ分析をしているのと同様に、金沢市でも金沢大学とも連携してブランド化に取り組まれているところであり、今回、参考になる事例を多数見てまいりました。  ところで、本府でブランド化に取り組まれた成果が最近顕著に出てきており、これは金沢大学が実施されたアンケート結果でありますが、伝統野菜の認知度のランキングにおきまして、3位の鎌倉野菜の認知度が約26%、2位の加賀野菜の認知度で約40%であり、京野菜の認知度は、他を大幅に超え87%で、堂々の1位でありました。
     また、みず菜は、平成元年に京野菜としてブランド化されておりますが、これは京都府の職員さんが食べ方を工夫され、サラダ用としてレシピを提案されたところ、全国に瞬く間に普及し、その生産面積、販売額も大幅に増加した例もございます。  しかしながら、我が国の都道府県別の野菜の産出額を平成26年の農林水産省のデータで見てみますと、京都府の産出額は約254億円で、47都道府県中26位であります。  先日視察しました東京の大田市場においても、そこで7割のシェアを誇る東京青果株式会社さんの取扱高は全体で約2,000億円、そのうち、京野菜は約2億円で、わずか0.1%しか取り扱いがないという現状がございました。加えて、首都圏を中心に、その認知度が抜群であるがゆえに、みず菜は京都府産でない他府県産の販売量が年々増大しており、これらの産地の販売攻勢に対抗するには、一層の生産拡大を初め、新たな対策が必要だと存じます。  さらに、TPP問題に向け、国内のみならず国外販売向けに新たな対策が必要となってくるのは間違いございません。京野菜ブランドの海外向け販売を促進するためには、まず認知度を高めていく必要があると思います。  そこで、国際的に広く認知されており、世界で100カ国を超える国で制度が導入されています「地理的表示保護制度」通称GI、この活用があります。これは品質、社会的評価などの特性が産地と結びついている産品について、その名称を知的財産として保護するものであり、京野菜ブランドを他地域の野菜と差別化し、輸出にもつながる、活用すべき制度と私は考えております。  そこで、今回、私は、京野菜のブランド戦略について、改めてその全体的な考え方と、京都府内や首都圏などへの需要拡大に対する現状並びにその課題解決に向けた取り組みについて、お伺いをいたします。  次に、私の地元であります乙訓地域におけるブランド戦略について、お伺いをいたします。  乙訓地域につきましても、多種多様な野菜が生産されており、京の伝統野菜や京のブランド産品も多く生産されているところであります。  とりわけタケノコにつきましては、生産量もさることながら、その品質・規格に加え、他産地に対する優位性、独自性の要素は卓越しており、京のブランド産品である京たけのことして、独特な農機具の使用による、いわゆる京都式軟化栽培と呼ばれる栽培方法が特徴的でありまして、京野菜の中でも最もブランド力が高まる素材の1つであると私は思っております。  そこで、私は、乙訓地域における京たけのこのブランド戦略の1つとして、国連食糧農業機関、いわゆるFAOが認定されております世界農業遺産を活用すべきであると考えます。これは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり形づけられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業と、それにかかわって育まれた文化、ランドスケープ、生物多様性などが一体となった重要な農業システムを認定する仕組みであります。  日本では、トキと共生する佐渡の里山、能登の里山里海など、8つの地域が世界農業遺産に認定されており、農産物のブランド化や観光客の呼び込みに向けた情報を発信されており、成果を上げつつあるということで、大きな期待が寄せられているところであります。  ただ、認定数1位の中国と2位の日本で、その認定数全体の過半数を既に占めており、地域的な偏りが生じていることから、今後、日本での認定がかなり困難になることが予想されているのが現状であります。  それに対し、農林水産省がことしの3月に、世界農業遺産の国内版としての位置づけで、日本農業遺産を創設すると発表されたのであります。これにより、農業に対する国民の理解が深まり、地方への訪日客の誘導などの効果も大いに期待できるものであります。  そこで、京たけのこブランド戦略について、府内そして首都圏への需要拡大の課題と取り組み、さらに日本農業遺産の登録に向けた考え方をお伺いいたしたいと思います。  まずは、ここまでの質問について、御答弁をお願いいたします。 60: ◯議長植田喜裕君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 61: ◯知事(山田啓二君) 磯野議員の御質問にお答えいたします。  京野菜のブランド戦略についてなんですけれども、平成元年度から展開してきたブランド京野菜は、当初の7品目3,800万円から京丹波大黒本しめじなどが追加され現在26品目で、12億3,000万円に増加をしております。府内の野菜の生産額も、こうした京野菜が牽引役になりまして、平成元年の214億から平成26年の254億に増加をしておりまして、特に首都圏の出荷額は平成17年の3.6億円から平成27年には5.9億円と、64%増加したところでありまして、市場での評価も高く、高値で売り切っている状況があります。  お話がありましたように、大田市場の年間の野菜の取り扱いは約1,900億ですから、10%でも京野菜の生産額並みとなるというところであって、その点から申しますと、私どもの京野菜の場合には、付加価値を高めて、できるだけ高く買ってくれるところでしっかりと売りさばいていくということを考えておりまして、デパートや有名料理店の新開拓も重視しており、取扱店は年々増加しているところであります。  こういったさらなるブランド力の強化には、御指摘もありましたように、生産体制を強化しなければ始まらないという問題。さらに、高品質化や機能成分に着目したストーリー性を持った野菜づくりをしていく。そして、首都圏での販売拡大など、生産と販売が一体となった展開が必要だというふうに思っております。しかしながら、産地のほうは高齢化に伴う就業人口の減少や中山間地が多いという事情がありまして、さらに京野菜、まねされやすいと申しますか、他府県産の京野菜が随分出てくるというので、ブランド力の強化も必要と。そして、その中で、首都圏や海外の輸出も見ていかなければならないという多面的な対策を今講じているところであります。このため平成25年度から5年間で、パイプハウスを集中的に整備し、九条ねぎや万願寺とうがらしなど、76ヘクタールの新たな京野菜を育成しておりまして、今後100ヘクタールの目標に向けて取り組みをさらに強化してまいります。  御指摘のありました地理的表示保護制度への登録につきましては、現在、京みず菜、万願寺甘とうの2品目を申請中でありますけれども、本年度中に新たに8品目を追加申請する予定であります。そして、平成27年度に実施しました京の伝統野菜復活支援事業によりまして、京の伝統野菜を9品種選定し、その中から、佐波賀だいこんや大内かぶなど、非常に機能性の成分が高く料理屋さんも注目しているような、こういう品目について、復活に向けた栽培を開始をしております。  そして、今年度首都圏への出荷額を7億円に掲げまして、京野菜マルシェや、おいしい京都フェアの開催等の販売強化を進めますとともに、京都府南部の卸売市場に、集出荷予冷施設、コールドチェーンですね、これを構築することができました。これはコールドチェーンができると、需給状況に応じた出荷が可能になりまして、しかも野菜は鮮度を保持することで価格の向上を目指すという、長野あたりでも一番もうかっているところはこれを利用してやっているわけですね。ですから、ここができたということは、私はこれからの単価アップには大変大きく役立つというふうに考えております。そして、世界的な日本食への関心の高まりや、増加する訪日外国人観光客をターゲットに、海外の和食レストランシェフや有名ブロガーを招聘しました産地ツアーを実施するなど、府内畜農産物のインバウンド需要の増大と、その中ではもちろん「Kyoto Beef 雅(みやび)」や京野菜をセットにした食材フェアを和食の人気の高い東南アジアで開催するなど、輸出拡大に取り組んでいきたいというふうに思っております。  私もこの前、ことしシンガポールに行ってまいりましたけれども、この「Kyoto Beef 雅(みやび)」を扱っているお店は、ビーフとともに横に全部京野菜がずらっと並んでおりまして、なかなか、本当に大変頑張っていただいているという印象を受けたところでありますので、こういった店をふやしていくことが、これからは必要じゃないかなと思っております。  こうした取り組みを通じまして、首都圏や海外における需要開拓に努め、京都のまさに農業の強みを生かしたブランド対策を展開していきたいと考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。 62: ◯議長植田喜裕君) 松本農林水産部長。    〔農林水産部長松本均君登壇〕 63: ◯農林水産部長(松本均君) 京たけのこのブランド戦略についてでありますが、京たけのこは全国でもトップブランドとして名高く、中でも乙訓地域は、先(しん)止めやわら敷き、客土など、京都式軟化栽培といった独特の栽培方法により、シロコという刺身でも食用可能な最高級タケノコを生産し、府内出荷量の約40%を占める産地であります。また、その竹林の美しさは、日本屈指の景観を誇り、府の文化的景観にも登録されており、豊かな地域資源として守るべき地域の財産であります。  京たけのこは、府内消費が主となっておりますが、首都圏にも出荷され、京都の1.5倍の高値で取引されるなど、高い品質評価を得ております。また、乙訓地域では、美しい竹林を活用した竹林公園や竹の径の整備、かぐやの夕べやタケノコ掘り体験の実施など、観光資源としても活用されているところであります。  課題といたしまして、高齢化による農業者数の減少や重労働が原因となり、出荷量はこの5年間で約36%減少いたしますとともに、販売形態は個人販売が主流でありますために、高値で需要の大きい首都圏に対しては、流通コストがかさむため出荷量も少なく、市場のニーズに応えられていない状況にあります。また、全国ではこの5年間でタケノコの消費量は約25%減少しており、消費拡大のための新たな切り口が必要とも考えております。このため昨年度、市町村、JAと関係機関とともに、「京たけのこブランド推進プロジェクト」を立ち上げさせていただきました。この中で、個人出荷から共同出荷への転換を産地が一体となり進めることで、流通コストを低減させ、首都圏の出荷量をふやし、農家所得の向上につなげますとともに、援農隊による高齢農家などへの労力支援や、担い手養成実践農場による新規就農者の確保・育成を推進してまいりたいと考えております。  また、首都圏におきましては、高級料理店での京たけのこ特別コースの提供や、デパートにおける試食会などの販売促進活動により、ブランドの認知度を向上させるとともに、長期保存が可能な加工品開発といった6次産業化を進めますこととあわせて、ブランド力強化のためにGI取得を進め、需要拡大を喚起してまいりたいと考えております。  さらに、乙訓地域の美しい竹林景観や、京たけのこの持つストーリー性をPRし、認知度を高めるため、日本農業遺産も有効な手段と考えておりますが、生物多様性や歴史的重要性等の認定基準をクリアする必要性や生産者の合意形成など、登録に向けての課題も幾つかございますので、市町村の意向も踏まえながら検討を進めたいと考えております。  今後とも、生産・流通・販売そして人材育成など、京たけのこのブランド戦略につきまして、地域づくりと一体となって取り組んでまいります。 64: ◯議長植田喜裕君) 磯野勝君。    〔磯野勝君登壇〕 65: ◯磯野勝君 次に、2つ目の質問、向日町競輪場の民間委託について、お伺いをいたします。  私の地元、向日市にございます向日町競輪場は、昭和25年に開設され、以来現在まで、その利益を一般会計に繰り入れるなど、京都府の財政に多大な貢献をしてまいりました。  一方、レース開催のない日には、向日市祭りや消防出初式などを初めとするさまざまな市の行事への場所の提供、そしてテニス、卓球などスポーツ施設として貸し出しをされ、さらに近年では、地元の激辛商店街が主催するKARA-1グランプリの会場となるなど、向日市民に対しても、大変大きな貢献をされてきたところであります。  しかしながら、近年は、レジャーの多様化や競輪ファンの高齢化など、全国的に売上高や来場者数が低迷しているのが現状であります。向日町競輪場におきましても車券売り上げは、過去最高であった昭和62年に比べ約70%の減少、本場開催時の入場者数について、過去最高であった昭和46年に比べ、約90%の落ち込みとなるなど収益が悪化し、平成21年度、22年度は、2年連続で単年度赤字を計上いたしたところでございます。  こうした状況を踏まえ、本府におきましては、向日町競輪事業検討委員会を設置され、事業の廃止もやむを得ないとの経過報告が提出をされ、山田知事も中長期的な存続は困難であるとの表明を府議会においてなされたところであります。  その後、競輪場の現場におかれましては、施設の老朽化問題を抱えながらも、さまざまなイベントや事業を展開され、運営努力を続けていただいたことにより、ここ数年は黒字化が達成されているとのことであります。  そのような中、ことしの2月議会の総務・警察常任委員会におきまして、向日町競輪場において包括民間委託を3年間導入するとの理事者の説明がございました。これは、自転車競技に係る事務の一部について、法律上民間委託が可能なものを民間事業者に一括して委託することにより、民間事業者のノウハウを活用して経営改善を目指すというものであります。また、全国の約4割の競技場で既にこの制度が導入済みであり、経営改善の効果を上げているとの説明がございました。  そこで、1番目の質問としてお伺いをいたします。  全国で16の競輪施行者が包括民間委託を導入されているとのことですが、それらにおいてどの程度の効果を上げているのか、お伺いをいたします。  また、今回の包括民間委託により、向日町競輪場としてどの程度の経営改善を期待されているのか、その売り上げ、利益の目標などについて、お伺いをいたします。  次に、地元向日市から民間委託に対する懸念とそれに対する要望が出ていることについて、お伺いをいたします。  地元向日市では、民間委託を歓迎する声がある一方、利益優先によるサービスの低下や、安心・安全性の確保について、懸念する声も上がっております。主な懸念は、向日市の行事に対する場所の提供などは、これまでどおり変わらず利用できるのかどうかということであります。  先ほど述べましたが、今まで向日市祭り、激辛商店街のKARA-1グランプリ、自治会の運動会、消防の出初式などのイベントを初め、テニス、陸上競技、卓球などの軽スポーツ会場として貸し出しをしていただいております。また、向日町会館での集会機能、さらに競輪競技非開催時間帯の駐車場無料開放も行っていただいているところであります。  そして、災害時の避難場所の提供であります。国の防災基本計画により策定が義務づけされております京都府の原子力災害に係る広域避難要領に基づく避難所としてこの競輪場が指定されておりますが、引き続き避難場所の確保ができるのかどうか。  また、競輪場周辺の環境整備と安全の確保が変わらず担保されるのかどうか。とりわけ清掃や警備の維持についての懸念がございます。競輪場開催時における道路清掃を初めとする周辺環境整備が今後も同等に継続されるのかどうか。また、周辺の安全性確保のため、競輪場内外の警備員配置についても、同等に継続されるのかどうか。  そして、雇用対策についての懸念もございます。現在まで、競輪場施設に多くの従業員などが雇用されました。向日市に対し、就業機会の創出を初め、地元雇用に大きく貢献をしていただいております。これについても、以前と同等に堅持していただけるのかどうか。  さらに、向日町競輪場周辺整備交付金についての懸念もございます。競輪場の周辺整備推進及び市民福祉の向上の観点から、向日市に対し、今までその財源を確保していただいております。民間委託導入後も、その観点は変わることはありません。引き続き、同等の交付金を確保いただけるのかどうか。  これら多くの懸念や要望の声に対し、本府としてどのようにお考えであるか、御所見をお伺いしたいと思います。  最後に、私から要望を述べさせていただきます。  向日町競輪場は、地元向日市はもとより、乙訓地域にとっても大変大きな公有財産であるとともに、地域の活性化の観点からも、今後のあり方につきましては、地元を初め周辺地域を含めた広域的な議論が必要であります。そのことから、関係市町、関係団体等の十分な調整を随時図っていただきますように御配慮いただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 66: ◯議長植田喜裕君) 志田総務部長。    〔総務部長志田文毅君登壇〕 67: ◯総務部長(志田文毅君) 向日町競輪場についてでございますが、まず包括民間委託の導入効果でございます。  車券の売り上げは、競輪を取り巻く全国的な環境や景気動向など、個々の事業所の経営努力以外の要因にも大きな影響を受けるものでございまして、そういうものでございますけれども、平成24年度に施行者である地方公共団体から、競輪振興法人に払う法定交付金の大幅圧縮が行われた後に包括民間委託を導入した他の競輪場の事例を見てみますと、いずれも決算が赤字から黒字に転換、あるいは黒字額が拡大するという成果が上がっております。  したがいまして、景気など事業者のコントロールが難しい外部要因はございますが、向日町競輪におきましても、現在と比べて黒字を拡大したいと考えておりまして、これを担保するための事業者の募集方法や契約内容を、事業者の募集までに具体化してまいりたいと考えております。  次に、競輪場の地元住民への開放や避難場所としての活用についてでございます。  包括民間委託は、競輪場自体を民営化するものではなく、開催日時や場外車券売り場の決定といった施行者固有の事務や審判など、国から指定を受けた団体のみが担うことができる事務を除いた事務を、民間事業所に幅広く委託する制度でございます。向日町競輪場の設置運営主体は、包括民間委託の有無にかかわらず、あくまでも京都府でありますので、施設の市民利用や避難場所としての活用につきましては、今後とも京都府が判断するものでございます。  これまでと同様、競輪事業の運営に支障のない範囲でKARA-1グランプリを初め、地元住民の皆様に施設を御利用いただきたいと考えております。  次に、周辺環境整備と安全確保、従業員等の雇用対策でございますが、包括民間委託は、多くの競輪場の運営を通して培った民間事務所の知恵やノウハウによりまして、効率的で効果的な経営を実現しようとするものでありますが、事業者の選定に当たりましては、入札ではなく、公募型プロポーザルを採用することによりまして、経済性に加えて周辺環境対策等も総合的に判断して、事業者を決定してまいりたいと考えております。  具体的には、清掃や警備などは、競輪の開催回数や来場者数等によりまして必要な水準が決まるものでございまして、経営状況や包括民間委託の有無と直接関係するものではございません。これらに必要な経費につきましては、今後とも必要な水準が確保される委託契約としてまいりたいと考えております。また、現在、車券の発売や払い戻しのため府が雇用している従事員は、専門的な知識・技能を有し業務に習熟しておりますことから、事業の安定経営、運営のためには、今後も必要な戦力として期待をしております。その雇用が確保されるよう、委託先の募集等において、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  最後に、周辺整備交付金についてでございますが、これは競輪事業を円滑に推進するという趣旨で交付をしてきているものでございます。包括民間委託の導入によってその趣旨が変わるものではないことから、今回の民間委託に伴う交付金の見直しは、想定をしておりません。現在、包括民間委託の導入のための条例改正案の御審議を議会にお願いしているところでございまして、これをお認めいただけましたら、平成29年度からの実施に向けまして準備を進めてまいる所存でございます。 68: ◯議長植田喜裕君) 次に、浜田良之君に発言を許します。浜田良之君。    〔浜田良之君登壇〕(拍手) 69: ◯浜田良之君 日本共産党の浜田良之です。通告に基づき、知事並びに関係理事者に質問します。  福島原発事故から5年3カ月が過ぎましたが、福島では今も9万2,000人の皆さんが、ふるさとに帰れず不自由な避難生活を余儀なくされており、京都にも1,103人の皆さんが避難されています。しかし、来年3月には公営住宅などへの無償入居が打ち切られようとしています。本府では独自措置として、入居期間を入居日から6年以内に延長しましたが、それ以降の保証はなく、避難者からは不安の声が寄せられています。国に対して、打ち切りをやめるよう求めるべきです。もし、国の方針が変わらなければ、本府の独自措置で無償入居を続けるべきです。いかがですか。  3月の予算特別委員会の知事総括質疑で、私は、高浜原発の再稼働に反対するよう求めましたが、知事は「外野から物を言っても仕方がない」と答弁されました。「法的枠組みがないから」と言いたかったのでしょうが、京都府は外野どころか高浜原発から30キロ圏内に、立地県、福井県の2倍以上の12万5,085人が生活をしています。万が一、過酷事故が起これば、琵琶湖の水が汚染されるなど、府民の命と安全が脅かされます。知事も立地県並みの対応を関西電力に求めてきたはずです。それなのに「外野から物を言っても仕方がない」というのは無責任です。法的枠組みがなくても、府民の命と安全に責任を持つ知事として国と関西電力に、「高浜原発は再稼働すべきではない」と、はっきりと物を言うべきではありませんか。  高浜原発で事故が起きれば、30キロ圏内の府民が避難をしなければなりませんが、実効ある避難計画ができているのでしょうか。  府の原子力災害に係る広域避難要領では、移動手段の基本はバスとし、避難中継所を起点に、府または避難元と避難先の自治体がそれぞれ分担してバスを確保するとしています。舞鶴市での住民説明会で府の原子力防災課は、「UPZ圏内の住民の75%、約9万3,000人がバス避難と仮定すると、45人乗りの大型バスが2,077台必要。府内のバス会社の総保有台数は2,261台だが、すべて確保できるわけではない」と、絶対数そのものが不足していることを認めています。宮津市では、UPZ圏内の約2万人が避難対象で、必要なバスは約430台ですが、同市内に営業所を持つバス会社はなく、バス会社との協定は締結できていません。避難先市町のバス確保はさらに困難です。宮津市の避難中継所は与謝野町の「野田川わーくぱる」で、各避難先に全員を輸送するためには数百台のバスが必要ですが、木津川市の危機管理課の担当者は、中継所までバスを用意しなければならないことを知らなかったそうです。  仮にバスを確保できても運転手の確保も難題です。舞鶴市が協定を締結した京都交通舞鶴営業所の担当者は、「バス50台を保有しているが、運転手の安全を守るのは会社の義務。被曝する危険性のあるところへ運転手を行かせるわけにはいかない」と言っています。  避難経路にも大きな問題があります。舞鶴市の住民説明会では、ある住民から「板ガラスの退社時間の大波街道は車が毎日とまっている。過酷事故が起こったときには、個人がまず車で避難する。渋滞が起きるのは当然だ。そんなことも知らないでつくった避難計画は、机上の計画だ」と、こういう発言がありました。ましてや、地震で土砂崩れが起きて道がふさがれれば、逃げられないような避難路がたくさんあり、それらの避難路の整備については、先ほどの四方議員の質問にもありましたように、これから整備するというのが実態です。  このように、現時点での各自治体の避難計画は、実効ある計画とは言えず、見直しが必要です。実効ある避難計画ができていないもとで、原発の再稼動は絶対に認められませんが、原発がとまっていても、大量の使用済み核燃料が存在している以上、実効ある避難計画は必要です。実効ある避難計画に改定するために、京都府はイニシアチブを発揮して、住民参加での避難計画の策定を行うべきではありませんか。  安定ヨウ素剤の配布と備蓄について、PAZ圏内は各家庭に配布済みですけれども、UPZ圏内は病院などに備蓄がされています。舞鶴市の住民説明会では、住民の皆さんから、UPZ圏内への安定ヨウ素剤の事前配布を求める声が数多く出され、舞鶴市の理事者は「備蓄場所の分散は考えている」と答弁されています。兵庫県の篠山市では、原発事故が起こった場合、放射能がどのように流れるかシミュレーションをして、その結果に基づいて、安定ヨウ素剤を事前に配布をしています。本府の方針として、過敏症などの検査も行い、UPZ圏内の住民に安定ヨウ素剤を事前配布すべきではありませんか。少なくとも、病院だけではなくて学校などにも分散配備すべきではありませんか。  高浜原発3・4号機の運転停止を命じた3月9日の大津地裁の仮処分決定では、福島第一原発事故の経験に照らして、「過酷事故を経た現時点においては、避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準を策定すべき信義則上の義務が国家には発生している」と、このように述べ、避難計画を検証しない新規制基準は問題だと厳しく指摘をしています。  さらに、大津地裁は、関西電力がこの仮処分決定の効力停止を求める申し立てに対して、6月17日、「国の新しい規制基準に適合したことだけで安全性が確保されたとは言えず、申し立てを認める理由がない」として、これを退けました。実効ある避難計画さえないもとで、新規制基準に合格したからといって、原発再稼働を認めるべきではないと思いますけれども、いかがですか。  ここまでお答えください。 70: ◯議長植田喜裕君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 71: ◯知事(山田啓二君) 浜田議員の御質問にお答えいたします。  まず、東日本大震災の避難者の公営住宅等応急仮設住宅への無償入居についてでありますが、これは自主避難者に対する応急仮設住宅の供与期間は、昨年度、福島県では国との協議に基づき、平成29年3月末までに延長した上で、新たに避難者の帰還、生活再建に向けた支援として、移転費用の支援や民間賃貸住宅家賃の支援などに取り組むこととされたところでありまして、京都府ではこうした福島県の要請を受け検討した結果、応急仮設住宅の供与期間を入居から6年といたしました。復興が本格化する中で、やはり将来的にふるさとへの帰還を望む方、特に福島県のほうは、早く帰っていただきたい、ふるさと再建のために戻っていただきたいと、そういう思いで、今、全力を挙げて取り組まれ、こういう措置をしている。こうした県の意向を踏まえた形で私どもは対応していかなければならないというふうに思っている点が1点。  また、最終的には、もう戻らずに京都でやはり居住を希望する方については、一方で、公営住宅への入居を希望する府民が数多くいることも踏まえて、いかに経過的に考えていくのか。そろそろ取り扱いをやはり整理していかなければならない時期に来ているというふうに私は考えております。このため、今後予定している個別訪問において、避難者の皆様の意見をよく聞いて、京都市など関係機関と調整し、今後の必要な措置を検討していきたいというふうに思います。  次に、高浜原発の再稼働についてでありますけれども、これまでから再稼働に係る法的な枠組みの確立を国に強く求めますとともに、高浜発電所に係る地域協議会において、高浜発電所の安全性について、関係市町村も含め、国及び関西電力に対して説明を求め、意見を述べてきたところでありまして、先日も経産副大臣にも各事項にわたり強く要請するなど、言うべきことは、はっきり言ってまいりました。  次に、住民参加による避難計画についてでありますが、住民避難計画は、地域の実情を十分把握し、最終的に避難の命令を出していく。これは総理大臣が避難指示を出して、そして最終的に市町村長がという形になっているわけでありまして、どこがイニシアチブをとるという話ではございません。それぞれが役割に応じてしっかりと体系的になっているものの分担をもとに果たしていくことになると思いますけれども、その中で、京都府は広域的な観点から、国や関西広域連合とも連携を図りながら、ハード面では避難路や放射線防護施設の整備など、ソフト面では、広域の避難体制の整備と広域避難訓練の実施など、避難計画の実効性の確保に努めております。避難計画は、このように市町村と国がお互いの役割を踏まえ、これからもしっかりと対応していきたいというふうに思っております。  次に、安定ヨウ素剤の配布と備蓄についてでありますが、UPZ圏内の事前配布につきましては、薬剤としての誤飲や紛失のリスクと事前配布しなかった場合のリスクとのバランスを考慮して考えていくことが重要になってまいります。この中で検討を重ねた中で、避難の際に、PAZ圏内を通る可能性が高い舞鶴市大浦半島の4地区の方々に配布するなど、それぞれ地域の実情に応じ取り組みを進めているところであります。  備蓄場所につきましては、薬剤師等が常駐して適正に管理ができることや、道路状況も踏まえ、緊急時に速やかに配布できることを基準に、地域の実情をしっかりと把握しているそれぞれの市町において選定をされているところでありまして、今後も市町と連携し、配布訓練やシミュレーションを重ね、「どこに備蓄するのがよいのか」「いつどのように安定ヨウ素剤を配布するのが適切か」など、確認点検を図る中で、災害時に想定されるさまざまな事態に、より実情に即してより効果的に対応できるよう、実効性のある内容をさらに検討してまいりたいと考えております。  どこまでやるかという問題はあるんですけれども、これはやはり安全神話に陥ってはいけませんので、常に改善をしていくという気持ちで取り組んでいきたいと思っております。  次に、新規制基準についてでありますが、大津地裁の高浜発電所3・4号機運転差し止めの仮処分に対して、関西電力が、今は保全異議の申し立てを行っておりますので、今後、この申し立てについて裁判所の判断が出てまいります。私どもといたしましては、引き続き、司法の判断を見守り、その結果を尊重していきたいと考えております。 72: ◯議長植田喜裕君) 浜田良之君。    〔浜田良之君登壇〕 73: ◯浜田良之君 まず、避難されてきている方に対する対応ですけれども、福島では今避難解除が相次いでいるんですけれども、一方で、支援措置がいろんな形で打ち切られてきているもとで、避難解除されてもふるさとに帰れないという人が大多数になっています。したがって、避難者に対する支援は、絶対に打ち切るべきではないと思います。この間、京都府もいろんな対応をされてきましたけれども、1年ごとの無償入居の期間延長ということでは、避難者の皆さんは、無償入居がいつ打ち切られるのか、不安で仕方がないというふうに思います。したがって、ふるさとへ帰ることができるまでは無償入居を続けることが必要ではないか、このことは強く要望しておきたいと思います。  再稼働に対する対応ですけれども、滋賀県の三日月知事は、再稼働に同意の権限はないけれども、「再稼働は容認できない」という政治判断をされました。府民の命と安全に責任を持つ、府民の代表として山田知事も、「高浜原発再稼働について現時点では容認できない」と、そういう政治判断を行うべきではないかということを私は求めています。そのことについて、再度お答えいただきたいと思います。  それから、避難計画の問題ですけれども、先ほど「京都府のイニシアチブではなくて、お互いの役割分担」ということを言われましたけれども、先日の府民生活・厚生常任委員会の初回委員会で、原子力災害における広域避難計画の実効性確保については、府の計画だけではなくて市町村の計画にも府が責任を持つということを確認いたしました。関係自治体の避難計画が実効性あるものになるように、京都府のイニシアチブを発揮し、京都府の責任を果たすこと、これを強く要望したいと思います。  安定ヨウ素剤の配布についてですけれども、先ほど地域の実情に応じてという話がありましたけれども、現状では、万が一事故が起こったときに、UPZ圏内の全ての子どもに配布するということは困難だと思います。3月11日の原子力関係閣僚会議決定では、安定ヨウ素剤のUPZ圏内の事前配布について、財政措置も含めて支援を行うということも明らかにして、自治体の裁量を認めております。ぜひ、本府の裁量で、UPZ圏内の住民に事前配布をすべきではないかというふうに思います。この点も、再度、答弁をお願いいたします。 74: ◯議長植田喜裕君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕
    75: ◯知事(山田啓二君) 高浜原発の再稼働につきましては、私は私の立場から、再稼働に係る法的な枠組みの確立を、現在、国に強く求めておりますし、地域協議会におきまして、高浜発電所の安全性について、国及び関西電力に対しましても説明を求め、意見を述べて、そしてその中で、国に対しても強く要請をしていくことでありまして、私は、自分として言うべきことは言っているつもりでございます。  そして、安定ヨウ素剤の事前配布等、分散リスクにつきましては、先ほど申しましたように、薬剤としての誤飲や紛失のリスクと、そして事前配布しなかった場合のリスクのバランスを考慮して、適切に検討していくというところの中で、やはり一番その配布に当たっていく市町村の皆様が、その状況に応じて地域の実情を踏まえて行っていくというのが一番適切であり、それがうまくいくように連携を強化していくのが、京都府の役割であると考えております。 76: ◯議長植田喜裕君) 浜田良之君。    〔浜田良之君登壇〕 77: ◯浜田良之君 最後の安定ヨウ素剤の配布問題ですけれども、舞鶴の説明会で、かなり多くの皆さんが「事前配布をしてほしい」という要望を出されています。そういう地域の声、実情をよく聞いて、対応していただきたいと思います。  高浜原発の再稼働をめぐっては、昨日重大な事態がありました。原子力規制委員会は、運転開始から40年を超えた老朽原発の高浜1・2号機が新規制基準を満たすと認める審査書を正式決定し、60年間の運転を容認いたしました。これは、福島原発事故後に確認された40年廃炉の原則さえなし崩しにし、新たな原発神話のもと際限のない再稼働を認めるものであり、断じて許されません。  我が党議員団は、強く抗議し、決定の撤回を求めます。  また、熊本大地震では、活断層の先にある九州電力川内原発が稼働していることに、住民の皆さんから不安の声が上がっています。地震列島と言われる日本に、安全な原発などありません。高浜原発の再稼働にきっぱり反対をし、原発ゼロの政治決断を行うことを強く知事に求めて、次の質問に移ります。  昨年3月に策定された「京都府子どもの貧困対策推進計画」に基づく取り組みの現状について、お聞きします。  京都府の子どもの貧困対策を推進する上で、京都府における子どもの貧困率がどうなっているのか、実態をリアルに掌握することが不可欠です。推進計画には、「子どもの貧困の実態を踏まえた適切な対策を講じる必要があることから、実態把握の調査研究に取り組みます」とあります。その具体化について、2月議会の代表質問で山田知事は、「子どもの学力と生活実態を掌握するために、小・中学校それぞれ20校を抽出して調査を行った。今後、体力や健康状況についての調査を行う」という答弁されました。  しかし、調査の対象規模も調査内容も極めて不十分で、学力テストの結果から抽出するようなやり方で、子どもの貧困の実態が把握できるでしょうか。家庭の経済状況、子どもの生活環境や生活習慣など、全面的な実態把握が必要です。沖縄県では、市町村データを用いて独自に県内の子どもの貧困率を算出し、県内の公立小学校1、5年生、中学校2年生の児童生徒と保護者を対象に、子どもの暮らしや精神状況、保護者の就労や家計、子育ての負担などについてアンケート調査を行いました。  京都市でも、就学前児童、小学生、中学生の各6,000件、計1万8,000件のアンケートに取り組み、関係団体、関係機関、施策対象者等へのヒアリングを行うことを決めています。本府でも、府内の子どもの貧困率を算出するとともに、できるだけ多くの児童生徒とその保護者を対象にした実態アンケート調査や関係団体、関係機関へのヒアリングを行って、子どもの貧困の実態を全面的に把握すべきではありませんか。  「推進計画」の「当面の重点施策」では、学校をプラットホームとした総合的支援の推進、教育環境の整備・充実にとって、「まなび・生活アドバイザー」、スクールソーシャルワーカーが重要な役割を果たすと位置づけています。文科省が小・中・高の校長を対象に行ったアンケートでも、75%が「スクールソーシャルワーカーが必要だ」と答えています。  先日の代表質問で山田知事は、「今年度の予算で66校に配置をした」と答弁をされましたが、国の予算の範囲にとどまっており、未配置の中学校を抱える市町の中学校に拠点校として配置し、局管内の未配置校からの要望に応じて派遣をする。府立高校も3校を拠点校として同様に派遣することにとどまっています。  文部科学省の「チーム学校」の議論でも、「勤務日数が限られており、柔軟な対応がしにくい」「財政事情により配置や派遣の拡充が難しい」などの課題が指摘をされています。学校現場の深刻な実態に照らして、常勤も含めて、さらなる拡充が必要です。少なくとも、全ての中学校区に配置すべきではありませんか。  一人一人の生徒児童の状況に応じたきめ細かな指導・相談体制を図る上で、スクールカウンセラーの配置も重要です。現時点では、「未配置の小学校を抱える市町の小学校を拠点校として配置し、局管内の未配置校からの要望に応じて派遣する」となっています。これでは不十分です。全ての小・中学校に配置すべきではありませんか。  「推進計画」の「当面の重点施策」では、貧困の連鎖を解消する上で、経済的支援が不可欠だと位置づけています。沖縄県では、実態調査を踏まえて、「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、今年度の予算では、新たに30億円の「沖縄県子どもの貧困対策推進基金」を設置し、市町村の実情に応じた取り組みを支援するなど、子どもの貧困対策を効果的に推進しようとしています。  京都府の伊根町では、過疎と不況にあえぎ、子どもの貧困が深刻になっていましたが、子育てしながらまちづくりに励む子育て世代を応援することを最優先に、給食費や教材費、修学旅行費など、義務教育にかかる費用を無償にし、子どもの医療費についても、高校卒業まで無料にしました。そうした中で、子育て世代の移住が相次いでいます。  本府の今年度予算では、「子どもの貧困対策事業」として、京都式「学力向上教育サポーター」事業、子どもの居場所づくり事業、ひとり親家庭の自立支援事業、私立高等学校あんしん修学支援事業などが計上されていますが、貧困家庭への経済的支援が極めて不十分だと思います。  私は、2月議会の知事総括質疑で、貧困家庭の経済的負担軽減策として、子どもの医療費の相談窓口の軽減、全ての中学校で完全給食実施、ひとり親家庭への経済的支援の抜本的拡充の3点を提案しました。今回は、さらにそれに加えて、小中学生の貧困対策として不可欠の就学援助の抜本的改善を求めたいと思います。  就学援助制度は、市町村の裁量が大きく、自治体間の受給率に格差がありましたが、2005年4月から準要保護への就学援助の国庫補助がなくなり一般財源化されたために、自治体の財政状況によって、さらに格差が広がっています。府内でも、就学援助の認定要件が生活保護基準の1.2倍のところもあれば1.5倍のところもあります。また、制度の周知の方法についても、自治体間で差があります。国に対して、国庫補助の復活・拡充を求めるとともに、府として、市町村が子どもたちの生活実態を調査して、必要な子どもが漏れなく制度が利用できるようになっているかチェックし、認定要件や制度の周知徹底について、市町村を援助すべきではありませんか、お答えください。 78: ◯議長植田喜裕君) 松村健康福祉部長。    〔健康福祉部長松村淳子君登壇〕 79: ◯健康福祉部長(松村淳子君) 子どもの貧困対策の実態把握についてでありますが、貧困の連鎖を断ち切るためには、子どもが置かれている貧困の実態を踏まえた対策を講じることが必要であります。このため、昨年3月策定いたしました「子どもの貧困対策推進計画」におきまして、実態把握の調査研究に取り組み、対策を推進する旨をしっかりと位置づけており、昨年度から教育委員会と一緒になって、学識経験者の御意見も伺いながら、児童生徒の学力や生活状況の調査を実施したところであり、今年度、総額56億の貧困対策に取り組んでいるところでございます。  さらに、本年度はこれに加えまして、母子・父子世帯実態調査を実施することとしており、これらの分析結果を踏まえまして、子どもの貧困対策の施策展開を積極的に図ってまいります。また、子どもの貧困率を初めとした国が示す指標につきましては、全国数値しかないものもあり、都道府県ごとの実態を示すよう、国に対し強く要望しているところです。 80: ◯議長植田喜裕君) 小田垣教育長。    〔教育長小田垣勉君登壇〕 81: ◯教育長小田垣勉君) 浜田議員の御質問にお答えをいたします。  スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーについてでございますが、児童生徒の基本的な生活習慣の確立や学習習慣の定着を図るとともに、児童生徒の状況に応じて福祉的観点から支援を行うことができるよう、全国に先駆けましてスクールソーシャルワーカーを配置いたしまして、福祉等の関係機関と連携を図る中で、課題の改善につなげているところでございます。  また、学校の教育相談機能の充実を図るため、スクールカウンセラーが心の専門家として、児童生徒に寄り添いながらきめ細かく対応することにより、児童生徒の状況が改善されてきたところでございます。昨今、貧困や虐待等が社会問題化するなど、子どもたちの置かれている状況は厳しさを増しており、各関係機関との連携が一層重要となる中で、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門的な知見を踏まえた対応が、今後ますます必要になってきているところでございます。  そうしたことから、国における学校職員としての位置づけや、定数化の検討状況も踏まえまして、引き続き、必要な措置を要望してまいりたいと考えております。  次に、就学援助制度についてでございますが、これは市町村において実施される制度であり、府教育委員会では、これまでから市町村に対しまして、適切に運営されるよう指導や助言を行ってきたところでございます。また、国に対しましては、市町教育委員会と連携いたしまして、就学援助に対する財政措置の拡充を求めてきたところであり、今後ともこうした取り組みを通じまして、就学支援制度がしっかりと運営されるよう取り組んでまいります。 82: ◯議長植田喜裕君) 浜田良之君。    〔浜田良之君登壇〕 83: ◯浜田良之君 まず、スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーについてですけど、文部科学省の「チーム学校」でも、課題とともに改善方策が議論されていて、「教育委員会や学校の要望等も踏まえ、日常的に相談できるよう、配置の拡充、施設の確保を検討する」とされております。ぜひ国に対して、配置の拡充を強く要望していただきたいと思います  就学援助については、自治体によって、やはり基準も金額も項目も相当違っています。必要な子どもが漏れなくきちんと利用できるようになっているのか、京都府として実態をつかんでぜひチェックすることを求めたいと思います。  健康福祉部長の答弁ですけれども、私、京都府の子どもの貧困の実態の深刻さを認識されているのかどうか、ちょっと疑問に思いました。  京都府の貧困率がわからないと言われましたけど、山形大学の戸室准教授の調査結果では、2012年の京都府の子育て世代の貧困率は17.2%です。1992年に7.8%でしたから、20年間で9.4ポイントも上昇をしております。沖縄県では、県独自の算出で、貧困率が29.9%ということが明らかになって、子どもや保護者の生活実態調査を踏まえて、子どもの貧困対策計画を策定し、今年度の予算で60億円を計上して本格的な対策に踏み出しております。本府も独自に貧困率を算出して実態調査を行って、京都府の子どもの貧困の実態を正確につかんで、深刻な実態を認識すべきだと思います。  先日の府民生活・厚生常任委員会の事務事業内容の説明では、健康福祉部所管の子どもの貧困対策が少子化対策の1つという位置づけになっていたのを私見て、愕然といたしました。深刻な実態と子どもの貧困対策の重要性にふさわしい推進体制が必要ではありませんか。この実態調査の問題と推進体制について、再度お答えください。 84: ◯議長植田喜裕君) 松村健康福祉部長。    〔健康福祉部長松村淳子君登壇〕 85: ◯健康福祉部長(松村淳子君) 子どもの貧困対策についてでございますけれども、まず、子どもの貧困の実態につきましては、絶対的なものとして、要支援児童の数を年度推視しているところでございまして、それに対して、私ども子どもの貧困対策を実施しているところでございます。国のほうが今示しております相対的貧困率とは異なり、絶対的なものという形でしているところでございます。  その一方で、相対的な貧困率等も含めまして、国に対してはしっかりした指標というものをつくっていただくよう、要望しているところでございます。 86: ◯議長植田喜裕君) 浜田良之君。    〔浜田良之君登壇〕 87: ◯浜田良之君 答弁ありましたけれども、実は、この昨年策定された「京都府子どもの貧困対策推進計画」、知事は先日の代表質問で「全国に先駆けて推進計画をまとめた」と述べられましたけれども、そもそもこの計画の中に、先ほど紹介したように、「子どもの貧困の実態を踏まえた適切な対策を講じる必要があることから、実態把握の調査研究に取り組みます」と述べているわけです。つまり、本府の「子どもの貧困対策推進計画」が、本府の子どもの貧困の実態を踏まえていないということを、この計画に書いているわけですね。つまり、それでは国の「子どもの貧困対策に関する大綱」の焼き直しにならざるを得ないと思います。「実態把握の調査研究に取り組む」という方針を実行していただいて、子どもの貧困の実態を踏まえた計画への見直しを行うとともに、深刻な実態にふさわしい、全庁を挙げた推進体制をつくることを強く求めておきます。  さて、あすから始まる参議院選挙は、日本の命運がかかった歴史的政治選になります。日本共産党は、野党と市民との共同の力で、独裁と戦争への逆流を許さず、立憲・民主・平和の新しい政治を実現するために全力を尽くす決意です。あすからの選挙戦では、他党への誹謗中傷などではなく、正々堂々と政策論戦を行い、全力を尽くすことを表明して、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 88: ◯議長植田喜裕君) 以上で、一般質問を終結いたします。            ──────────────────── 89: ◯議長植田喜裕君) 次に、日程第3、第1号議案から第13号議案までの13件を一括議題といたします。  これより質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終結いたします。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております議案13件のうち、第1号議案については、予算特別委員会に付託することに、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と言う者あり〕 90: ◯議長植田喜裕君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  次に、第2号から第13号までの議案12件については、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。                             (議案付託表は巻末に掲載)            ──────────────────── 91: ◯議長植田喜裕君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明6月22日から7月14日までの23日間は、委員会審査等のため休会とし、7月15日午後1時15分から本会議を開きたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と言う者あり〕 92: ◯議長植田喜裕君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  それでは、7月15日午後1時15分から本会議を開きますので、御参集願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後4時52分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...